ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

「2018年世界景気減速」の顛末 <その1>

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景気減速を伴う下げ相場をふりかえるシリーズ。

今回は現在進行中の景気減速期を取り上げます。

※その他の記事はコチラ

近年の景気後退期・景気回復期 カテゴリーの記事一覧 
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景気減速期と株価について

これまで記事にした2000年以降の4回の景気減速期と同様に

「世界景気の減速期」

「その時期の株価のピーク・ボトム」

を確認できる範囲で確認してみます。

●世界景気の指標

CLI(OECD全体)

※CLIについてはコチラ↓

OECD全体の景気先行指数

●主要株価(現地通貨建て)

・全世界の時価総額(ドル建て)

・S&P500(米国)

・ナスダック総合(米国)

・TOPIX(日本)

・DAX30(ドイツ)

・上海総合(中国)

・Nifty 50 (インド)

2018年世界景気減速期⑤:2017年11月~2018年9月

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※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

近年のCLIの推移です。

現在進行形の2018年世界景気減速期⑤の期間、CLI(≒世界景気)の数値は

100.4(2017.11)⇒99.5(2018.9)

に低下。

少なくとも10ヶ月、世界景気は減速を続けていたこと可能性を示唆するデータです。

その前をふりかえると、チャイナショックの世界景気のボトムが2016年4月でした。

2016.4~2017.11の1年7ヶ月の景気拡大期を経て、現在世界景気は再び減速期に入っている可能性が高くなっています。

ちなみに<2016.4⇒2017.11の1年7ヶ月>(月末値の比較)で

●S&P500:2065⇒2648(+28.2%)

●TOPIX:1341⇒1792(+33.6%)

●世界の時価総額:67.1兆ドル⇒83.5兆ドル(+24.4%)

と短期的に上昇、増加していました。

現状は先進国も含めて

徐々に下落相場感が強くなってきている

というところ?

※現在は長く続く上昇相場における一時的な踊り場かもしれず、わたしの個人的な印象です

2018年世界景気減速期の株価のピーク・ボトム時期と減少幅

この期間の株価のピーク・ボトム時期と減少幅を確認してみます。

※現時点で確認できる範囲

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※世界の時価総額は2018.9までのデータ。その他は10月まで

●各国株価のピーク時期:2018.1または2018.8~9頃

●各国株価のボトム時期:2018.10頃に集中

●先進国の下落率:ざっと1~2割

●新興国(中国、インド)の下落率:ざっと1.5~3割

下落率のグラフです。

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今のところ中国の下落率が目立っています。

日本やドイツは2割足らずのそこそこの下落。

S&P500はまだ1割程度の軽症という印象。

※表とグラフの出所:https://www.world-exchanges.org/TOPIX- Yahoo!ファイナンスhttps://jp.investing.com/indices/major-indicesのデータより作成

所感①:今のところはパターン通り?

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※出所:https://jp.investing.com/indices/major-indicesLeading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2018.9

1995年以降の景気指標「CLI(。OECD全体)」と「世界の時価総額()」を併記したものです。

2017.11以降、CLIは一本調子で下げており、素直な動き。

世界の時価総額も2018.1をピークにその後さえない動きとなり、このグラフの期間には入っていませんが、2018.10に大幅な減少を記録したと思われる状況。

今回も2000年以降過去4回の経験則を裏切る結果とはなっておらず、タイムラグはあるものの、素直に

★世界景気の減速トレンド

世界の時価総額の減少トレンド(世界的な株安)

というパターンにはまりつつあるように推測されます。

今後の動向は分からず、あくまで今のところですが。

所感②:「米10年国債利回り上昇」⇒「新興国の株価下落」⇒「先進国株に波及」の流れ

「FRBの利上げ+量的縮小の本格化」「米国景気の加速」などを背景に

「米10年国債利回り上昇」

となりました。

<米10年国債利回り:ここ1年>

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※出所:https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yieldより作成

2018年2月に久々に大幅な株価下落、その後

「新興国の株価下落」

のトレンドが徐々に鮮明に。

<VWO:ここ1年>

f:id:yukimatu-tousi:20181125220104p:plain※出所:https://jp.investing.com/etfs/vanguard-ftse-emerging-marketsより作成

2018年8~9月頃にかけて米国株や日本株は大きく回復、1月の高値を抜く状況も生まれましたが、10月に再度大幅な下落で株安が「先進国株に波及」。

今後どうなるか不明ですが、徐々に

先進国も下落相場?

感が出てきているという状況。

f:id:yukimatu-tousi:20181125221431p:plain

※出所:TOK | iShares MSCI Kokusai ETF - Investing.comより作成

株価が落ち出す順序としては

「新興国が先で、景気が比較的いい先進国の市場(米国など)が最後になる」

というよくあるパターンにはまっているか?

また

「世界的に静かに進行する景気減速」+「FRB金融引き締め」

 ⇒株安

というパターンにもはまっていそうな印象。

長くなってきたので以下

「2018年世界景気減速」の顛末 その2

に続きます。

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