景気減速を伴う下げ相場をふりかえるシリーズ。
の続きです。
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所感③:「米中対立の影響」は未知数
2017年はそれほど話題になりませんでしたが、2018年は貿易摩擦に代表される米中の対立が鮮明になっています。
今後、この要因がどの程度市場に影響を及ぼしていくのかは分かりませんが、今回は最近の景気減速期とは異なり
特殊要因を抱えた景気減速期
となるかもしれません。
投資家としては厄介なことですが、どうしようもなく、個人的には
「政治的な要因で相場が乱高下するリスクも抱えている景気減速期」
という認識の下でポジションを調整せざるを得ない状態、と認識。
最近の4回の景気後退期のどれに近いものになりそうか?
最後に、今回の景気減速期が
「最近の4回の景気後退期のどれに近いものになりそうか?」
というテーマでいくつか仮説を書いてみます。
わたしに分かるはずもない未来のことなので、現時点の個人的な推測、覚書です。
A:景気減速期間はどのくらいになるか?
B:「だましの景気回復」を含むか?
C:あえて選べば、最近の4回の景気後退期のどれに近いものになりそうか?
の流れで考えてみます。
A:景気減速期間はどのくらいになるか?
※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
過去の4回の景気減速期間です。
●ITバブル崩壊期:36ヶ月
●サブプライムバブル崩壊期:20ヶ月
●欧州債務危機:19ヶ月
●チャイナショック:15ヶ月
15~36ヶ月の範囲に入るかどうかは分かりませんが、近年の経験則からは
1年半~3年
程度の景気減速期間を想定するのは無理のないところかもしれません。
現在は10ヶ月程度なので、あと「半年~2年」くらい?
※しつこいですがただの勘、経験則。
B:「だましの景気回復」を含むか?
どちらかというと、米国の景気後退を伴った場合、個人的には今回の世界景気減速の期間は長期化し、「だましの景気回復」も入りやすいのかなあ?と推測。
※「だましの景気回復」⇒景気の減速トレンドに一時的に入り込む景気回復期
単なる経験則ですが、米国の景気拡大期が長いと、景気の落ち込みも長くなる、かもしれません。
1991.3~2001.3、米国は10年間の景気拡大期を経てITバブルは崩壊し、CLIは3年間の低下トレンドに。
今の米国は2009.6から始まった景気拡大期が続き、9年半ほどが経過したところ。
長く続いた安定期は長く続く停滞期を生むかも?
と思います。
そして、長く続く停滞期には「だましの景気回復」も入り込みやすいか?
※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
C:あえて選べば、最近の4回の景気後退期のどれに近いものになりそうか?
直感的には2000~2003年のITバブル崩壊期と近いものになるかも、と推測。
※出所:https://jp.investing.com/indices/us-spx-500-historical-data、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
「世界各国中銀の量的緩和を含む長期的な緩和政策」
「景気が悪くない状態での米国の減税、財政出動」
等で延ばしに延ばした米国の景気拡大期が、米中の対立の中で終わりを迎えていく、かもしれない状況。
FRBはそれなりに利下げ余地があるものの、日銀やECBには利下げ余地がほぼない。
金融緩和政策を続けている中でも景気が怪しくなってきている日欧経済。
中国経済も怪しい。
あまり不景気はことを並べ立てるのもどうかと思いますが、直感的にはITバブル崩壊期のように、もしかしたら「だましの景気回復」も含めて、
だらだらと景気減速期が続き株価もそれなりに落ちる?
という気もしないでもない。
個人的には2017年のような
●個別株ロング
●プット・オプションで軽めにヘッジ(何かあったときの命綱)
みたいなポジションで比較的安定的に稼げた相場が好きですが、ずっとそういう訳にもいかなそうな雰囲気。
厳しい流れが続いても大負けしないことを目標に、きっちりヘッジをしたポジションやロングショートを続けています。
おわりに
「米政権は、2019年には米経済も減速するとわかっている。」
保守系シンクタンク、ヘリテージ財団のライリー・ウォルターズ氏の見解です。
※2018.11.16 朝日新聞朝刊より
見解の根拠は不明ですが、この手の意見は増えてはきているもよう。
「米国の景気減速期がいつか来る」のはとても確率の高いことで、それがいつかは誰も分からないだけのこと。
★こんな意見も
エラリアン:18-24か月のうちの景気後退はない – The Financial Pointer®
問題は、来たとき、来そうなときにどうするか、どう対応するか。
●現金への配分比率を増やしておく
●粛々と予め定めた資産の配分比率を守る取引を行う
●粛々と定額の積み立て投資を続ける
●先物やCFD、空売り等である程度ヘッジしておく
●ショートポジション(売り建てポジション)の比率をロングポジションよりいくらか増やし、先物やCFD、空売り等でむしろ株安にいくらか賭け、利益獲得を狙う
●相場の大きな変動に備えVIXロング、オプションなどでいくらかヘッジしておく
など、個人投資家としてそれなりにできることはあるかもしれません。
個人的には
●自分のスタンスの再確認
●下落相場のシミュレーション+上昇相場に転じた場合のシミュレーション
●「だましの景気回復」への対応策
● 現状分析(今、景気サイクルのどこらへんにいるのか?の推定)
などを大事にしたい時期。※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
※現時点での個人の主観です。明日からまた長期的な上昇相場が始まるかもしれません。先のことは分かりません。投資は自己責任で
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