即時性の高い米国の景気指標として
ECRI景気先行指数
という指数があります。
この指標では引き続き米国景気にやや暗雲。
ECRI景気先行指数とは
米国の民間の調査機関ECRIが毎週発表している指数。
★指数が大きい⇒景気がいい
★指数が小さい⇒景気が悪い
と判断。
1967年以降の週次のデータが公表されています。
※Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIで入手可
「マネーサプライ」「JOC-ECRI工業市場価格指数」「住宅ローン申請」「債券実質金利」「株価」「債券利回り」「失業給付申請」の7つの要素で指数化される指数。
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ECRI景気先行指数の今
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
最新データ2018.12.7のECRI景気先行指数は「146.2」。
直近ピーク2018.2.2の「152.4」より「-4.1%」の水準。
「144.9」程度で下げ止まり、12.7は大きめに上昇しています。
この上昇は今後もしばらく続くのか、一過性のものか気になるところ。
上下動を繰り返しながらですが、この10ヶ月下落トレンドが続いていることから、「世界の時価総額」「米国の社債スプレッド」などと同様、この指標では米国景気も
2018年1月末頃にピークアウトした可能性
があるかも。
※現時点のわたしの推測で未来の動向は不明
2018年のECRI景気先行指数とS&P500
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:2018.1~2018.12
今年の「ECRI景気先行指数」と「S&P500」の週足データをグラフ化したものです。
株価のピークは9月であり、ずれはありますが、両者ともに現在は下落トレンドにある可能性があります。
参考データ:ECRI景気先行指数とS&P500:長期データ
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1990.1~2018.11
米国景気と株価の連動性を如実に語るグラフ。
経験的にはECRI景気先行指数のピークはS&P500より先にピークアウトしていることもあり、投資タイミングの判断材料になるかもしれません。
※参照記事⇒即時性の高い米国景気指標 ECRI景気先行指数
※週次データで両者の期間はほぼ一致していますが、誤差あり
おわりに
ECRI景気先行指数は1967年以降の50年以上のデータがあります。
下記グラフは1967~1987年のもの。
少しわかりにくいですが、網掛け部分が米国の4度の景気後退期で、4回すべてECRI景気先行指数が景気後退前にピークアウトしています。
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
同様に上記グラフからは1987~2018年に起きた3回の景気後退期の前にも指数がピークアウトしていたことがうかがえます。
もちろん、いつがピークなのか、どの頂が危ないのか、それは分からないので、いちいちピークアウトを気にして投資を中断していたら、普通の投資はやりにくい。
ただ、一つの経験則として、今年の2月以降のような
「高い頂」から急角度で持続的に落ちている状況
は、一応警戒してもいい状況なのかもしれません。
またこの指数だけでなく、CLIやPMI、その他の景気指標もあわせてみると、大まかな世界や米国の景気トレンドはつかみやすくはなると思われ、またまとめて記事にしてみたいと思います。
※しつこいですが、2018年2月がピークだったかどうかは今後の展開次第で現時点ではわかりません
※一方、右肩下がりの「がけ崩れ」でなく、右肩上がりのトレンドにおいて米国株に投資するのは、相対的に安全でリスクテイクに向くような気はします
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