ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

掌の上で踊らされるか、自分から踊りの輪に加わるか

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今年もよろしくお願いいたします。

2018年の投資環境の変化について、わたしなりに。


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2018年の変化①:世界景気の減速(減速懸念)

f:id:yukimatu-tousi:20181231203928p:plain※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成

Composite leading indicator (CLI、OECD全体。景気指標の一つ)の推移です。

100が好況不況の節目、数値が大きいほど景気拡大、小さいほど景気減速。

この指標では2018年は「好況⇒不況」になった年。

これはとても大きな環境変化。

「好況⇒不況」の転換点においては、想定よりも業績が悪化しやすく、企業の業績予想が下方修正されることも多く、それが株価に下落につながりやすい。

また、

「そろそろ景気が悪化するんでないか?」

という懸念は企業の設備投資、投資家の投資意欲の減退要因でもあり、株価は下落しやすい。

要するに、景気減速や減速懸念は「マクロ的」「中長期的」には株価の下落要因と思われ、2018年は

「景気動向の変化への敏感さ」

が運用パフォーマンスに大きく影響した一年だったかもしれません。

上記指標は2018年10月までの推移からは下げ止まる雰囲気は感じられませんが、2019年はどうなるか。

2018年の変化②:FRBを中心とした金融引き締め

f:id:yukimatu-tousi:20181231221704p:plain※出所:Effective Federal Funds Rate | FRED | St. Louis Fedより作成

米国のFFレート。

FRBの利上げにて、2018年は「1.3%⇒2.2%」まで上昇。

f:id:yukimatu-tousi:20181231221622p:plain※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedより作成

上記はFRBの資産推移。

2018年は「4.45兆ドル⇒4.08兆ドル」に減少。

0.37兆ドル、1ドル=110円とすると約41兆円の資産を縮小。

「利上げ+量的縮小」による金融引き締めが行われたことは、2018年の大きな環境変化。

f:id:yukimatu-tousi:20181218221731p:plain※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | のデータより管理者作成

また、FRB、ECB、日銀の3中銀トータルでみても、2013~2017年、概ね100兆円を超える資産が増えていましたが、2018年は突然増加ペースが落ちています。

大きな環境変化。

2018年は主要中銀トータルでみると、金融政策がどちらかというと

金融緩和⇒引き締め

に転換した年でもあり、

「中銀金融政策の変化への敏感さ」

が運用パフォーマンスに大きく影響した一年だったかもしれません。

個人的には中銀の動きにむやみに歯向かっても仕方ないというスタンス。

2018年の変化③:米中対立の表面化

世界1位と2位の経済大国間の争いは、「マクロ的」「中長期的」には世界景気の減速要因と思われます。

どの程度の悪材料となるかは分かりませんが、2018年以降の世界では気にかけておいてもいいテーマかもしれません。

環境変化と投資スタンス

以上、わたしなりに2018年の環境変化の主なものをまとめてみました。

もともと2017年末頃には株価は割高と感じており、2018年の春ごろには世界景気も怪しいと感じており、おまけに米中対立の話も出てきて、昨年は弱気だったので、

★下げに強い投資ポジション

で臨み、運よくまずまずの成績となりました。

環境は変わっても投資スタイルは全く変えない

投資スタイルもあると思われ、うまくいく可能性もあり、否定するものではありませんが、「マクロ的」「中長期的」には投資環境は運用パフォーマンスへ甚大な影響を及ぼすと考えており、わたしはそれなりに対応するのが好み。

レイ・ダリオ氏の言葉を引用。

ポートフォリオの大半は好況では利益が出るが、不況になると損失が出るようにデザインされている

※『世界のエリート投資家は何を考えているのか』アンソニー・ロビンズ(著)鈴木雅子(訳)三笠書房

レイ・ダリオ氏の言葉が常に正しいとは思いませんが、運用の世界のプロの言葉、気にかけておいてもいいかもれません。

個人的には、長い目でみると、

A:「好況⇒不況への転換期」

B:「不況」

C:「不況⇒好況への転換期」

にどのような投資行動をとるかで投資収益は大きく変わるような気がします。

できるかどうかは抜きにして、理屈の上では

A:「好況⇒不況への転換期」⇒リスク資産への配分を落としておく。人によっては空売りやオプション・ヘッジも検討

B:「不況」⇒リスク資産への配分を徐々に高める

C:「不況⇒好況への転換期」⇒リスク資産への配分を大きくする

のイメージ。

景気動向を判断する完全無欠な指標がないことは、このスタイルの弱点ではありますが、大きく資産を減らさないためにはそれなりに有効なスタイルかもしれません。

ポートフォリオの大半は好況では利益が出るが、不況になると損失が出るようにデザインされている

・景気の掌の上で(他動的に)踊らされるか

・景気を観察して(能動的に)踊るか

わたしは自分の意志で、踊りたくなったら踊りの輪に加わりたい派。

うまくいく保証はないですが、踊らされるのはできれば避けたい。

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