2019年2月末のデータからJリートの割安割高を探ってみます。
TOPIXと東証リート指数
※出所:SBI証券
ここ1ヶ月の東証リート指数とTOPIXの値動きを比率で比較したものです。
この期間TOPIXは好調、リートはあまり動かず。
※出所:SBI証券
ここ2年だとややリート優位。配当や分配金を加味するとTOPIXより成績はよさそう。
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Jリートスプレッド
Jリートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしはJリートと日本の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「Jリートの平均利回り-日本国債利回り(10年物)」
のことを「Jリートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「Jリートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほどJリートは割安
・小さいほどJリートは割高
とみなす指標です。
※「Jリートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
過去の利回り「Jリート」と「日本10年国債」
少し古いデータですが、過去の推移の確認です。
下記グラフは2001.9月末~2017.7月末のJリートと長期国債の利回りの推移を示したものです。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※国債の長期金利がマイナスの時期は「0%」で表示
Jリートの平均利回りは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
まで上昇しています。
欧州債務危機の2011~2012年頃も5%以上の利回りをつけており、リート収益は株式に比べて比較的安定している点から、リート利回りは
リスクオフ時、株安時期の一つの目安
になりやすい指標の一つと思われます。
経験則に過ぎませんが、リートが叩き売られている時期は、株式などのリスク資産も過小評価され、割安になっている可能性があります。
最新のJリートスプレッド
次にJリートスプレッド
●【Jリートの平均利回り-日本国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2001年9月~2019年2月末です。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成
この期間の長期平均は「3.3%」です。
個人的には「かなり割安な時期」の経験的な目安を概ね「5.0%以上」(4.5~5.0%だと迷いそう)としています。
2019年2月末の値は「4.0%」でした。
※マイナス金利は「0%」で計算
・Jリートの平均利回り:4.00%
・日本国債10年物の利回り:-0.03%
2019年1月末は「4.0」だったので、スプレッドは変わらず。
「4.0」は平均値「3.3」を上回るも「5.0」には届かない値であり
まあまあ割安?
と推測。
悪くない水準と感じますが、個人的には次の不況を待ってもっと割安に買いたいので、引き続き静観。
<直近の高分配金銘柄>※出所:JAPAN-REIT.COM - 全ての投資家のための不動産投信情報ポータル REIT一覧(リートデータ)より作成 ※2018.2.28時点
今の水準だと税引き後でも年率3~5%は収益が出る銘柄も多いので、あんまり待っていてももったいない気もしますが、まあ、そこは自由。
「資産評価額やキャッシュフローの増加を期限を決められて迫られる」ことのない「個人投資家一般」のメリット。
以前は一人で勝手に焦って
「資産評価額やキャッシュフローの最大化」
ばかり考えていましたが、最大化を図る利点とデメリット(疲れる。ハードルが高すぎて達成できないと、それなりにうまくいっていても自己評価が下がる、など)を勘案すると、どちらかというと今は「あまり急いても仕方ない派」に落ちついています。
単なる歳のせいか・・・
2017年6月以降1年半以上、このスプレッドは
3.9%~4.2%
のレンジ。
今後は不明ですが、とりあえず安定感はあります。
あとがき
以下、個人的に気にしているJ-リートの利回り。
※()内は約1ヶ月前の利回り
・日本アコモデーションファンド投資法人【3226】:3.38%(3.24%)
・フロンティア不動産投資法人【8964】:4.56%(4.69%)
・日本ロジスティクスファンド投資法人 【8967】:4.14%(4.03%)
・福岡リート投資法人 【8968】:4.22%(4.19%)
今月はあまり動きなし。
2月はあまり動かなかった東証リート指数の動きと整合的。
※データ元
★JAPAN-REIT.COM (2018.2.28時点)
また本記事には関係ないですが、昨日発表の米国GDP(2018年10~12月)の速報値は予想以上にいい数字。
4半期ごと前年比の比較(2017.4Q⇒2018.4Q)だと年率「+3.1%」の成長率。
前期(2017.3Q⇒2018.3Q)の「+3.0%」より伸びています。
悲観的な予想が優勢でしたがGDPの面からは
「昨年の米国経済は年間を通して好調だった」
といえそうな雰囲気。
※出所:Real Gross Domestic Product | FRED | St. Louis Fedより作成
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