最新の世界景気をCLIで観察してみます。
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①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2019年1月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
先日更新された2019年1月のデータは「99.13」(前月比-0.11)。
2017年11月:100.55
が直近のピークとなっており、ピークから14ヶ月連続で減速トレンドが続いています。
景気水準自体も
悪い
といえそう。
1月時点のデータであり、どこで反転するかはわかりませんが、とりあえず市場にとってはネガティブ要因と推測。
「景気の見通しが悪い時期に無理しない」が個人的なスタンス。
<参考:近年のCLIと経済イベント>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成 ※数値は概算
1995年1月~2018年12月のCLIの推移と経済イベントです。
2019年1月時点で約「99.1」のこの指標、「チャイナショック」「欧州債務危機」の頃の数値を下回る水準。
ITバブル後(2001~2003年頃)、サブプライムバブル後(2008~2009年頃)の低水準に次ぐ水準。
※数値は随時修正されます
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~
②主要国CLI
主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。
期間は2016年1月~2019年1月です。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
<赤:日本 オレンジ:ドイツ 紫:米国 青:中国>
最近では<中国⇒日本⇒ドイツ⇒米国>の順にピークアウト。
1月に関してはすべて下げています。
特筆すべきは中国のトレンド。
2018年12月までのデータでは
2018年11月がボトム?
という可能性があったのですが、2019年1月のデータでは下げトレンドに修正されています。
今後どうなるか不明ですが、この指標の数値は修正され続けるので要注意。
<2018年12月までのデータ>
<2019年1月までのデータ>
<参考>主要国製造業PMI:2016.1~2019.2※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
2016年1月~2019年2月までの景気動向を示唆する指標、製造業PMIの主要4国の最近の推移です。
「50」を節目に「景気拡大」「景気減速」を示唆。
こちらは「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」の順にピークアウト。
2月は4ヶ国すべてで数値が低下。
※PMIについてはコチラ
おわりに
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.1
現在は2000年以降で5回目の世界的な景気減速期、かもしれません。
一つの経験則に過ぎませんがこの期間においては、CLIが明確な減速トレンドにある時期、総じて株価は伸びにくい傾向にあります。
今回の景気減速が米国の深刻な景気後退を伴わず、欧州債務危機(2011~2013年頃)、チャイナショック(2015~2016年頃)程度で済むか、もっと大ごとになるかは不明ですが、個人的には景気のいい時期に大きなリスクをとる方が相対的に
・安全で
・リターンが大きい場合が多く
・「割に合う」
可能性は高い?
2018年以降、投資が難しくなっている原因の一つは至極単純に
・景気動向?
と推測。
<近年の主な世界景気拡大期における時価総額の動向>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.1
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