ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

楽観ムード ~米国市場の概況~

f:id:yukimatu-tousi:20190316172729p:plain先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

f:id:yukimatu-tousi:20190316172856p:plain※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

3.15は「2822」。前週末比「+2.9」。

2019年2月末は「2784」だったので、3月月間では+1.4%

2018年末は「2507」で、今年は「+12.6%」。

最高値は2018年9月の「2941」で今は高値から「-4.0%」の水準。

高値更新はあるか。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20190316173203p:plain※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

3.15は「2.59%」。

前週末は「2.63%」だったので、利回りは大きめに低下。

昨年末は「2.69%」で今年は利回り低下。

昨年末より株価が10%以上上昇し、国債利回りは低下。

FRB利上げ中止期待の要因が大きいか。

2018年で最も高かったのは10月の「3.26%」。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<ここ1年>

f:id:yukimatu-tousi:20190316173529p:plain<先週>

f:id:yukimatu-tousi:20190316173549p:plain※出所:S&P 500 VIXインデックス

3.15は「12.88」。前週の「16.05」より低下。

だいぶ低くなってきました。

水準としては長期平均(「19.3」)より低く、米国の市場心理は

安心?

と推測。

目安の「30」以下であり、株価は割安ではなさそう。

※参考:2018年のピークの概算値

・2月:「50」

・10月:「29」

・12月:「36」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
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ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債の利回り-米国債(10年物)の利回り

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.0

 ★中央値:2.9

<期間:1996.12月~2019.2月の月末>

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20190309163247p:plain※出所:◎St. Louis Fed米国 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1996.12月末~2019.2月末

3.14時点のジャンク債スプレッドは「2.3」で、前週の「2.4」よりスプレッド縮小。

※ジャンク債利回り「4.90%」、米国債(10年物)の利回り「2.63%」

先週の記事では「スプレッド縮小の動きが久々に止まった感じ」でしたが、今週は

「スプレッド拡大が再開した感じ」

2月末の水準とほぼ同じ。

スプレッドは長期平均「3.0」より小さく、投資家心理は安心?か。

株価水準としては

やや割高?

と推測。

<最近の推移>

f:id:yukimatu-tousi:20190316174144p:plain※出所:◎St. Louis Fed米国 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:2016.1月~2018.3月(3月は14日のデータ)

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

f:id:yukimatu-tousi:20190316174315p:plain※出所:S&P 500 Price to Book Value

1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。

3.15時点の推計値は「3.35」。前週の「3.25」より低下。

水準としては

★ITバブルの頃のピーク(5.06

より小さく

★サブプライムバブルの頃のピーク(2.91

は上回る水準。

長期平均の「2.79」は上回っており、現在は

割安な水準ではなさそう

です。

f:id:yukimatu-tousi:20190316174334p:plain※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③1995~2017年の各年末のデータから、

★平均値:1.26

★中央値:1.32

④近年の経験則の域を出ませんが

★1.05以下は株式は割安圏?

★1.40以上は株式は割高圏? と推測
⑤米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20190119164934p:plain※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2018年末 

米国の時価総額は2019年1月末で約「33.1兆ドル」(前月末は「30.4兆ドル」)。

前月より大幅増。

2019年1月末の米国バフェット指標は「1.54」(前月末は「1.48」)。

現在、割高圏の目安「1.4」を上回っていると推測され、1月末時点の米国株式は

割高圏?

と推測。

この指標の水準としては2017年8月頃と似た数値。

f:id:yukimatu-tousi:20190223154703p:plain

※データ出所:https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳のデータより作成

※2019年米国名目GDP:21.48兆ドル(IMF推計)。2018年は20.51兆ドル

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではなさそう

ジャンク債スプレッドやや割高?(割安ではなさそう)

S&P500のPBR⇒割安ではなさそう

 ★米国バフェット指標 ⇒割高圏?

総合的に判断すると、わたしは米国株式は

割高?

と推測。

現時点での米国株の長期投資のタイミングとしては

①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す

②資産配分において、株式の配分比率を減らす

③資産配分において、現金の配分比率を増やす

④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※概ね10年以上を想定した長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で  

ITバブル、サブプライムバブル、現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg

f:id:yukimatu-tousi:20190316202117p:plain・恐怖指数、ジャンク債スプレッド:投資家のリスク許容度上昇を示唆?

おわりに

www.bloomberg.co.jp

上記記事より引用。

 マーシャル・フロント最高投資責任者(CIO)は、「米金融当局が情勢を一変させ、市場はその機を捉えて躍進した」とし、市場はもはや金融当局について心配しておらず、米中間の関税問題を乗り切って、成長見通しも改善するとの「楽観ムードがある」と述べた。

★S&P500は最高値の-4%の水準

★恐怖指数は「13」を下回る水準

★クレジットスプレッドも低下傾向

★S&P500のPBR(推計値)は2018年9月以下で2017年12月以上の水準

2018年1月や9月頃に近い楽観ムードの再来?を感じさせる状況。

f:id:yukimatu-tousi:20190316203423p:plain※出所:米国債・金利 - Bloombergより作成

一方、米国債のイールドカーブは10年物くらいまで、わりとフラット。

長短金利差は一般に今後の「FRBの金融政策」「米国景気への見通し」などを反映する傾向があるとされるようですが、逆イールド化はしておらず、かといって大きな差でもなく、微妙に接近中。
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