米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2019年3月末
2019年3月末は「0.14%」。
前月末より縮小(2月末:0.21%)。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
月末値でみると2019年3月末まで9年長短金利差の縮小トレンドが続いています。
2019.4.19現在、長短金利差は、0.18%であり、3月末(0.14%)と比べて拡大。
最近は0.1%台で行ったり来たり。
※2.56%-2.38%=0.18%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年3月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2019年3月末は2月末に比べて
・長短金利差⇒やや縮小
・株価⇒上昇
し、両者のグラフ上の差はやや拡大。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
参考データ:1980年以降の逆イールドと景気後退
※出所:FRED | St. Louis Fedのグラフより管理者作成 ※期間:1976年~2017.11月
1976年~2017.11月の長短金利差のグラフです。
5回の逆イールド期(短期金利>長期金利の時期)とその後の景気後退期(グレーラインの時期)を示しています。
5回とも景気後退期の前に逆イールドが生じており、景気後退期には株価は大きく下げる傾向があります。
長短金利差が小さいだけでなく、逆イールドになる時期は、景気や株式市場にとって不吉な兆候ではあると思われます。
※参考:米長短金利の逆転は懸念=ダラス連銀総裁 | ロイター
FRB利上げ、利下げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
年内は
・利上げはない(57.1%)
あるいは
・利下げ(34.3%)
・により、現在「2.25-2.50%」のFF金利は2019年12月に
・「2.25-2.50%」(利上げなし)
か
・「2.00-2.25%」(1回利下げ)
になる可能性が高いとの観測。
先月の状況とは大きく変化はありません。
<先月の記事での状況>
あとがき
月末値でみると長短金利差の縮小トレンドが継続しているようにも見えます。
米国株価は最高値付近、楽観的な株式市場と相対的に悲観的な債券市場の対比が目立つ状況。
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