5月に節目の50を下回ったグローバル製造業PMIは6月も続落。
最新の「製造業PMI」と「ISM製造業景気指数」から世界と米国の景気を観察してみます。
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①グローバル製造業PMI
「購買担当者指数」は「PMI」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業PMIの推移を見てみます。
※グローバル製造業PMIについて、詳しくはコチラ(英語サイト、PDF)
https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/f83452ee0ff14466acab4184f5c3b705
※出所:上記PDFサイトより作成
2019年6月は「49.4」(前月比「-0.4」)でした。
5月に大きめに数値低下して節目の50を下回り、6月も続落。
欧州債務危機の頃、2012年10月以来の低水準。
2017年12月をピークに18ヶ月(1年半)続く低下トレンド。
今のところ世界的な景気減速傾向が明確になりつつある状況か。
●2018年2月:54.1
●2018年3月:53.3
●2018年4月:53.5
●2018年5月:53.1
●2018年6月:53.0
●2018年7月:52.7
●2018年8月:52.6
●2018年9月:52.2
●2018年10月:52.1
●2018年11月:52.0
●2018年12月:51.4
●2019年1月:50.8
●2019年2月:50.6
●2019年3月:50.5
●2019年4月:50.4
●2019年5月:49.8
●2019年6月:49.4
※PMIについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②主要国製造業PMI
主要4ヶ国(米中日独)の国別の製造業PMIを確認。
期間は2016年1月~2019年6月です。
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
直近のピークは
●中国:2017.9月
●ドイツ:2017.12月
●日本:2018.1月
●米国:2018.4月
であり、今のところ
「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」
の順にピークアウトしています。
2019.6月の数値変動は
●米国・中国:横這い
●ドイツ:上昇
●日本:低下
米国「50.6」、中国「49.4」と50の節目付近、米国は上方。
中国は下方に位置。
日本「49.8⇒49.3」と低下。ドイツは「44.3⇒45.0」と上昇。
6月の数値だけをみていると、中国、米国、ドイツはいったん下げ止まったようにも見えますが、来月はどうなるか。
③ISM製造業景況指数
最後に、米国の景気指標の一つ「ISM製造業景況指数」を確認します。
PMIと同様、50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
※ISM製造業景況指数についての記事↓
「株は景気の悪い時期に買うは正しいか?」米国景気の一つの指標【ISM製造業景況指数】
※出所:アメリカ ISM製造業購買担当者指数より作成 ※期間:1995.1~2019.6
2019.6月は「51.7」(前月比−0.4)。
「60」を超えていた2018.9月頃からトレンドは下げ。
節目の50にまだ少し距離あり。
おわりに
※出所:ユーロ圏 製造業購買担当者景気指数より作成
2008年以降のユーロ圏の製造業PMI。
サブプライムバブル崩壊期(2007~2008年頃)、欧州債務危機(2011~2012年頃)に比べて感じること。
①今回のユーロ圏の景気減速は比較的ゆっくり進行しているか
②「45」を下回っておらず、過去2回の大きな景気減速期より程度は軽め
欧州債務危機のようにいったん上向いてまた下がることを含めて今後も下がるのか、この辺で回復基調に転じるのか。
個人的には今後の米国景気次第かと。
いずれにしても完全に防御重視のポジション。
2019.7.3のS&P500は「2996」で節目の「3000」に到達しそうな勢い。
市場が米国景気に望む
減速すれど後退せず
となるかどうか。
こんな記事もwww.yukimatu-value.com