5月に節目の50を下回ったグローバル製造業PMIは6月、7月も続落。
最新の「製造業PMI」と「ISM製造業景気指数」から世界と米国の景気を観察してみます。
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①グローバル製造業PMI
「購買担当者指数」は「PMI」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業PMIの推移を見てみます。
※グローバル製造業PMIについて、詳しくはコチラ(英語サイト、PDF)
https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/cd5ff69a25e34fb29f365f8c87d5ed5d
※出所:上記PDFサイトより作成
2019年7月は「49.3」(前月比「-0.1」)でした。
5月に大きめに数値低下して節目の50を下回り、6月、7月と続落。
欧州債務危機の頃、2012年10月以来の低水準。
2017年12月をピークに19ヶ月(1年7ヶ月)続く低下トレンド。
世界の債券市場は相当に景気減速(後退?)を警戒している模様。
個人的にはわざわざ今がんばらなくても、と感じる状況。
●2018年2月:54.1
●2018年3月:53.3
●2018年4月:53.5
●2018年5月:53.1
●2018年6月:53.0
●2018年7月:52.7
●2018年8月:52.6
●2018年9月:52.2
●2018年10月:52.1
●2018年11月:52.0
●2018年12月:51.4
●2019年1月:50.8
●2019年2月:50.6
●2019年3月:50.5
●2019年4月:50.4
●2019年5月:49.8
●2019年6月:49.4
●2019年7月:49.3
※PMIについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②主要国製造業PMI
主要4ヶ国(米中日独)の国別の製造業PMIを確認。
期間は2016年1月~2019年7月です。
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
直近のピークは
●中国:2017.9月
●ドイツ:2017.12月
●日本:2018.1月
●米国:2018.4月
であり、今のところ
「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」
の順にピークアウトしています。
2019.7月の数値変動は
●米国・日本:横這い
●中国:上昇
●ドイツ:低下
米国「50.4」、中国「49.7」と50の節目付近。
米国が50を下回るかが気になるところ。
日本「49.3⇒49.4」。ドイツは「45.0⇒43.2」と大幅低下。
2017.12月「63.3」⇒2019.7月「43.2」
というドイツの数値低下は激しいものがあります。
③ISM製造業景況指数
最後に、米国の景気指標の一つ「ISM製造業景況指数」を確認します。
PMIと同様、50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
※ISM製造業景況指数についての記事↓
「株は景気の悪い時期に買うは正しいか?」米国景気の一つの指標【ISM製造業景況指数】
※出所:アメリカ ISM製造業購買担当者指数より作成 ※期間:1995.1~2019.6
2019.7月は「51.2」(前月比−0.5)。
「61」を超えていた2018.8月頃からトレンドは明確に下げ。
節目の50に徐々に接近。
おわりに
個人的な好みとしては過去の経験則を重視し、景気指標の数値から景気トレンド、水準把握で現状を把握。
その後に投資スタンスを考える(基本的には景気拡大期にリスクを大きくとり、景気減速期にリスクを抑える)というごく単純な流れ。
うまくいったり、うまくいかなかったりですが、何もないのに比べれば景気指標は頼りになる指標かと。
2018年以降の景気減速、正直こんなにじわじわといやらしい展開になるとは思いませんでしたが、とりあえず今はゆっくりネガティブな流れにあると推測。
※出所:米国 ISM非製造業購買担当者景気指数より作成
上記は製造業ではなく米国 ISM非製造業購買担当者景気指数の推移。
本ブログでは取り上げていませんでしたが、2018.10月をピークにこちらもゆっくり低下トレンドへ。
2019.7月は「53.7」で節目の50には距離あり。
一つの経験則ですが、この期間で50を下回っている時期、だいたい(すべてではないですが)株価は割安。
もしそんな時期が来れば、長期投資のタイミングを計る参考材料にするのも一興か。
こんな記事もwww.yukimatu-value.com