5月に節目の50を下回ったグローバル製造業PMIは8月は下げ止まり。
最新の「製造業PMI」と「ISM製造業景気指数」から世界と米国の景気を観察してみます。
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①グローバル製造業PMI
「購買担当者指数」は「PMI」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業PMIの推移を見てみます。
※グローバル製造業PMIについて、詳しくはコチラ(英語サイト、PDF)
https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/2490067923764e919331f511e7a4ba64
※出所:上記PDFサイトより作成
2019年8月は「49.5」(前月比「+0.2」)でした。
5月に大きめに数値低下して節目の50を下回り、6月、7月と続落、8月は下げ止まり。
2017年12月をピークに19ヶ月(1年7ヶ月)続いた低下トレンドが今後どうなるか。
●2018年2月:54.1
●2018年3月:53.3
●2018年4月:53.5
●2018年5月:53.1
●2018年6月:53.0
●2018年7月:52.7
●2018年8月:52.6
●2018年9月:52.2
●2018年10月:52.1
●2018年11月:52.0
●2018年12月:51.4
●2019年1月:50.8
●2019年2月:50.6
●2019年3月:50.5
●2019年4月:50.4
●2019年5月:49.8
●2019年6月:49.4
●2019年7月:49.3
●2019年8月:49.5
※PMIについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②主要国製造業PMI
主要4ヶ国(米中日独)の国別の製造業PMIを確認。
期間は2016年1月~2019年8月です。
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
直近のピークは
●中国:2017.9月
●ドイツ:2017.12月
●日本:2018.1月
●米国:2018.4月
であり、今のところ
「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」
の順にピークアウトしています。
2019.8月の数値変動は
●米国・日本:横這い
●中国:やや低下
●ドイツ:やや上昇
米国は「50.3」で速報値では「50」を下回りましたが確報値では前月とほぼ変わらず。
中国・日本は4ヶ月連続、ドイツは8ヶ月連続で50を下回っています。
③ISM製造業景況指数
次に、米国の景気指標の一つ「ISM製造業景況指数」を確認します。
PMIと同様、50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
※ISM製造業景況指数についての記事↓
「株は景気の悪い時期に買うは正しいか?」米国景気の一つの指標【ISM製造業景況指数】
※出所:アメリカ ISM製造業購買担当者指数より作成 ※期間:1995.1~2019.8
2019.8月は「49.1」(前月比−2.1)。大幅な数値低下。
2018.8月「61.3」が直近のピークで、その後は低下トレンドとなりちょうど1年後、2019.8月に節目の50割れ。
シナリオ①:好調な米国景気に世界景気がひっぱられる?
シナリオ②:米国景気がさえない世界景気サイドに近づく?
どちらか判断のつかない時期もありましたが、とりあえず今はシナリオ②でことが運んでいる模様。
④参考データ:ISM製造業景況指数、近年の低い値(概算値)
※期間:1995.1~2019.8
●ITバブル崩壊後:41
●サブプライムバブル崩壊後:33
●欧州債務危機:49
●チャイナショック:48
●2019年8月:49
おわりに
8月は米国「ISM製造業景況指数」の大幅低下が印象的。
他にも8月は「ミシガン大学消費者信頼感指数」という
米国GDPの約70%を占める個人消費動向を示唆する指標
の数値が大幅に低下(7月の98.4⇒89.8に急落)しており、こちらも印象的。
一時的な動きか、徐々に、あるいは一気に米国の景気悪化が進むのか、9月以降が気になる展開。
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