ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

リスクオン<香港・イギリス・米中> ~日本市場の概況~

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今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

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今週の日経平均

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※出所:マーケット|SBI証券

9.6は「21200」で前週比「+2.4%」。

2019年8月末は「20704」だったので、9月月間では「+2.4」。

昨年末は「20015」だったので今年は「+5.9%」。

日経平均の直近の高値は2018年10月の「24448」で今は高値から「−13.3%」の水準。

今週の日本10年債利回り

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※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

9.6は約「−0.25%」(前週末は「−0.27%」)。

引き続き低位ですが久々に前週より高い値に。

世界的な債券高はひとまず収束するのかどうか。

今週のドル/円

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※出所:USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com

今週は久々に「1ドル=107円台」へ。

木曜日以降リスクオン、円安。

2018年のピークは10月「1ドル=114.55円」で、ボトムは3月の「1ドル=104.56円」。

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2019年8月末

9.6の日本バフェット指標は「1.08」で前週の「1.06」より上昇。

2018年末は「1.06」で、今年はやや上昇。

直近の月末値ピークは2018年1月の「1.29」。

 

9.6の時価総額は約「600.4兆円」(全市場の合計値)。

確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。

現在は最大値を18.5%下回っています。

1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.77」です。

割高圏の目安「1.0」以上なので、長期的観点からは

日本株は割高圏?

と推測。

この指標では「2017年5月頃」と似た水準。

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

f:id:yukimatu-tousi:20190419215416p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2019年4月12

2019.8.30 22832億円(約2.3兆円)。

前週比-601億円の減少。

信用買い残は最近2700億円程度増加していましたが、2週で1000億近く減少。

直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円でその後、概ね減少トレンドとなっており市場の熱気は感じません。

水準としては長期平均の「2.4兆円」よりやや少なく、この指標からは

ふつう~やや割安?

と推測。

<2017.10.27以降の推移・月末値と直近数値>

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※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR 

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※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2019年8月末

2019年8月末の東証一部PBRは「1.1」(前月と変わらず)でした。

4ヶ月間「1.1倍」が続いています。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均の「1.1」と同じ値で水準としては

ふつう(割安ではなさそう)

と判断。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率

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※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2018.1.11

8.30は「-15.93」。

前週の「-14.83」からマイナス幅がやや拡大。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

やや不安?

と推測。

2018.12.7以降、長期平均を下回り続けており、今年に入ってずっと「-16~-13」あたりがレンジでさえない水準。

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※出所:トレーダーズ・ウェブより作成 ※期間:2019.1.11~2019.8.23
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

1998年からの

・長期平均:24.9

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ1年のチャート>

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※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

9.6は「16.41」。前週の「18.10」より低下。

最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2019.5月:24

2019.8月:23

であり、「25」を超えてこない比較的地味なリスクオフとなっているか。

長期平均は「24.9」であり、投資家心理は

やや安心?

と推測。

割安の目安「30」より小さいので、「割安ではなさそう」と推測。

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高圏?

★信用買い残⇒ふつう?

★東証一部PBR⇒割安ではなさそう

★信用評価損益率⇒割安ではなさそう

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう

総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高?」と推測します。

 

現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては

①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す

②資産配分において、株式の配分比率を減らす

③資産配分において、現金の配分比率を増やす

④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません

サブプライムバブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

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●いつもの5項目:すべてで2007.6月より割安傾向。相場の過熱感は減退

●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-19.6%」の水準

●東証REIT指数:上昇。2007年6月より8%程度低い値

今週の日銀ETF買い

2018年は年間で約6.5兆円の買い出動。

中銀が1年で時価総額の1%程度を売らないで(今のところ)買い増し続ける日本市場。

下記サイトによれば今週は出動なし。

※参照サイト:日銀ETF買い入れ結果https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/

あとがき

8月の下げモードのままじめじめ相場が続いていた今週、木曜に突然リスクオン。

円安株高に。

リスク要因だった

・香港の混乱

・イギリスのハードブレグジット

への懸念が和らいだこと。

また

・米中が10月に交渉を行うらしいとのことで、希望?がつなげたこと

などが要因か。

一方、日本の景気動向指数(7月分、速報値)は引き続きさえない状況。

7ヶ月後方移動平均だと

●先行指数:14ヶ月連続で下降

●一致指数:9ヶ月連続で下降

とのこと。

※データ出所:https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/201907psummary.pdf

増税前から日本景気はすでにあやしい雰囲気。

素人からみても、増税後、オリンピック後は心配。

もし日本が苦しい時期、世界経済が上向きなら意外に大丈夫かもしれませんが果たして。

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