米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2019年8月末
2019年8月末は「0.00%」で月末値としては直近では最低値。
前月末より縮小(7月末:0.13%)。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
月末値でみると2019年8月末まで9年5ヶ月長短金利差の縮小トレンドが続いています。
2019.9.17現在、長短金利差は、0.08%であり、8月末(0.00%)より拡大。
※1.83%-1.75%=0.08%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年8月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2019年8月末は前月末に比べて
・長短金利差⇒縮小
・株価⇒下落
し、両者のグラフ上の差は拡大。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
FRB利上げ、利下げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
2019年12月までに現在「2.00-2.25%」のFF金利は
・「1.50-1.75%」(現行より-0.50%)
か
・「1.75-2.00%」(現行より-0.25%)
になる可能性が高いとの観測。
先月は「-0.75%」低下する、との観測も強かったので、先月よりずいぶん「利下げ期待」は減退している模様。
ちなみに9月FOMCでの利下げ可能性は約66%とのこと。
直近の原油価格、CRB指数の急騰がFRBの判断にどの程度影響するかは不明。
「商品価格上昇⇒インフレ率上昇圧力」
と思われ、どちらかというと利下げしにくくなる要因ではあるような。
※2019.9.17時点
あとがき
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年8月
過去2回の米国景気後退期を含む
「長短金利差のボトム⇒ピーク期間」
の株価の様子。
●この期間、株価は上昇できていない
●長短金利差がピークに達する前に株価は底打ちしている
●どちらかというと、株価のピークより長短金利差の底打ちの方が早そう
などが確認できます。
とりあえず過去2回の経験からは
「長短金利差縮小トレンドが急速に拡大トレンドに転換する時期」
はリスキーかも。
ただ、
●いつが長短金利差のボトム、ピークかは株価と同様、後にならないとわからない
●過去2回と似たような展開となるかは不明
●近々景気後退するかも不明
で、一つのデータ、情報です。
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