日本の輸出総額(前年同月比。%)は9ヶ月連続で前年割れとなっています。
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日本の輸出総額を確認するメリット
日本からの主な輸出品の輸出額が前年より増えている時期は世界景気が好調、株価も伸びやすい?
逆に輸出額が前年割れしている時期は世界景気が不調、株価も伸びにくい?
との仮説から、日本の輸出総額(前年同期比。%)動向は投資タイミングを計る参考情報になり得る、かも。
※日本の主な輸出品:自動車、鉄鋼製品、半導体、自動車部品、発電機械、プラスチック材料など
日本の輸出総額(前年同期比。%)の推移
※出所:http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htmより作成 ※期間:2008.1~2019.8(2019.8月は速報値)
2019.8月の速報値は前年比で「-8.2%」。
前月は「-1.5%」。
2018.12月以降9ヶ月間、前年割れが継続(2018.9月も一度マイナス)。
概ねの時期ですが上記グラフ水色四角で囲んだ部分は輸出総額が前年比割れの時期。
①:サブプライムバブル後の不況
②:欧州債務危機前後の不況
③:チャイナショック前後の不況
とりあえず昨年12月以降、基調は前年割れで今は世界景気がさえない時期か。
日本の輸出総額とTOPIXの現状(2019.8月末まで)
※出所:http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htm、https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=998405.T より作成
日本の輸出総額とTOPIXの推移グラフ。
日本の輸出総額(前年同月比)は2017.8月にピークアウト。
TOPIXは2018.1月にピークアウト。
9月のTOPIXは急騰していますがとりあえず8月まではともに低下基調。
参考データ①:日本の輸出総額とCLI
2008年~2019.3月の日本の輸出総額と世界景気を示唆する指標CLI(OECD全体)の推移。
※出所:http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htm、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
CLIはComposite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の略。OECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況(景気拡大)、小さいほど不況(景気減速)を示唆します。詳しくはコチラ
青のCLIが低下トレンドにあり、世界景気が減速していく時期、総じて日本の輸出総額は低下、低迷傾向にあるようです。
逆に青のCLIが上昇トレンドにあり、世界景気が拡大していく時期、総じて日本の輸出総額は増加傾向にあるようです。
ちなみに日本の輸出総額とCLI(OECD全体)、両者の相関係数は2008.1~2019.3までの月足データで「0.78」であり、強い正の相関があります。
参考データ②:日本の輸出総額、前年割れの持続期間と最低値
※出所:http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htmより作成 ※期間:2008.1~2019.5
日本の輸出総額、前年割れの持続期間と期間中の最低値。
①:サブプライムバブル後の不況(14ヶ月継続。最低値:-49.4%)
②:欧州債務危機前後の不況(断続的に18ヶ月最低値:-12.4%)
③:チャイナショック前後の不況(14ヶ月継続最低値:-14.0%)
2018.9月を含めると、今回は断続的に10ヵ月の前年割れが生じています(最低値:-8.4%)
いつまで続きますか。
おわりに
7月は前年比で「-1%」台でしたが8月は「-8%」台となり、引き続き日本の輸出総額はさえない状態。
ただ今回の前年割れでは前年比9%以上のマイナスはなく、景気悪化ペースは「緩やか」「じわじわ」という感じ。
世界的に軽微な景気減速ですむのか、今後米国景気の悪化につながり、長期化、深刻化するのか、その判断に「日本の輸出総額の前年比」のデータは少しは役に立つかも。
9月には米中関税引き上げが実施されており、その影響はどうなるか。
また8月速報値では日本の「輸入」総額も4ヶ月連続で前年割れ。
すでにヨタヨタ景気状態で減税でなく増税に突っ込んでいく感じは個人的にはスリリング。
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