最新の世界景気をCLIで観察してみます。
スポンサーリンク
①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2019年9月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
最新値、2019年9月のデータは「99.11」(前月比-0.02)。
2017年12月:100.77
が直近のピークとなっており、ピークから21ヶ月連続で減速トレンドが続いています。
景気水準自体は
悪い
といえそう。
ただ、数値低下ペースの鈍化がみられ、そろそろ反転するかが気になるところ。
<参考:近年のCLIと経済イベント>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Data、https://www.world-exchanges.org/より作成
※期間:1995.1~2019.8
近年の「CLI」と「世界全体の時価総額」の推移と経済イベントです。
近年の好況、不況の時期、その際の時価総額の動向が端的に確認できます。
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~
②主要国CLI
主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。
期間は2016年1月~2019年9月です。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
<赤:日本 オレンジ:ドイツ 紫:米国 青:中国>
最近では<中国⇒日本⇒ドイツ⇒米国>の順にピークアウト。
9月に関して中国以外、すべて下げています。
中国に関しては2019年2月頃をボトムに反転。
他国に先駆けて本格的な回復に向かうかどうか。
<参考>主要国製造業PMI:2016.1~2019.9
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
2016年1月~2019年10月までの景気動向を示唆する指標、製造業PMIの主要4国の最近の推移です。
「50」を節目に「景気拡大」「景気減速」を示唆。
こちらは「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」の順にピークアウト。
2019.10月の数値変動は
●米国・ドイツ:上昇
●日本、中国:低下
米国はやや持ち直しの感じ。
日本は7月「49.4」で10月「48.4」と落ち込みが目立ってきている印象。
※PMIについてはコチラ
参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較
<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.8
<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.8
「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い」のは世界景気の減速期ではなく、拡大期か?
おわりに
CLI(OECD全体)の数値は21ヶ月、1年9ヶ月続く低下傾向。
今後のシナリオの想定。
①ネガティブシナリオ
今後米国経済の減速傾向が続いた場合、世界景気の減速期間は長期化、景気悪化の程度も深刻化する可能性があるか?
②ポジティブシナリオ
CLIでは中国の数値は2019.2月頃をボトムに反転。
CLI(OECD全体)の数値低下ペースは鈍化が目立つ。
グローバル製造業PMIは2019年7月で下げ止まり。
CLIやグローバル製造業PMIは1年半数値低下トレンドが続いていた。
そろそろ中国を先頭に世界景気がいったんは回復していく?(一時的な回復も含めて)
CLI(OECD全体)の今後のイメージ。
<A:今後、また数値低下ペースが加速する>
<B:今後、いったん半年程度回復して、その後また落ち込む>
<C:本格的な回復モードに>
先行きはさっぱりわからず、現時点の何となくの勘は
A:30%?
B:40%?
C:30%?
のような感じですが、果たして。
<ITバブル後や欧州債務危機時の一時的な景気回復時期の例(赤四角)。Bに近いシナリオ>
こんな記事も