ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

波乱の年明け、今週の戦術 ~米国市場の概況~

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先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

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※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

1.3は「3235」。前週末比「-0.2」。

12月末は「3131」で1月月間では「+0.1」。

最高値付近。

<先週の米国10年国債利回り>

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※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

1.3は「1.79%」。前週の「1.88%」からイランがらみで急低下。

FRBの資産は

2019.12.25:4.1656兆ドル

2019.1.1:4.1736兆ドル

と一週間で+80億ドル(約0.9兆円)増加。

※データ:FRED | St. Louis Fed

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<ここ5年>

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<先週>

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※出所:S&P 500 VIXインデックス

1.3は「14.02」。

前週の「13.43」より上昇。

水準としては長期平均(「19.3」)より低く、米国の市場心理は

やや安心?

と推測。

目安の「30」以下であり、株価は割安ではなさそう。

※参考:2018年以降の高い値(概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.10月:「29」

・2018.12月:「36」

・2019.5月:「23」

・2019.8月:「25」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
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ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.0

 ★中央値:2.9

<期間:1996.12月~2019.11月の月末>

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20190406154726p:plain※出所:◎St. Louis Fed米国 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1996.12月末~2019.3月末

12.31時点のジャンク債(格付けBB)スプレッドは「1.9」で、前週の「1.8」より拡大。

債券市場投資家のリスク許容度の上昇傾向は一休み。

※ジャンク債利回り「3.77%」、米国債(10年物)の利回り「1.92%」

スプレッドは長期平均「3.0」より小さく、投資家心理は安心?か。

株価水準としては

割高?

と推測。

<最近の推移>

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※出所:◎St. Louis Fed米国 10年 債券利回りのデータより月末値で作成 ※期間:2016.1月~2019.12月(12月は31日時点)

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

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※出所:S&P 500 Price to Book Value

1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。

1.3時点の推計値は「3.66」。前週の「3.66」と変わらず。

★ITバブルの頃のピーク(2000年の5.06

より小さく

★サブプライムバブルの頃のピーク(2007年の2.91

は上回る水準。

最近のS&P500の高PBR。

①2018.1.26:3.60倍

②2018.9.21:3.51倍

③2019.12.27、2020.1.3:3.66

この期間の中央値「2.77」は上回っており、現在は

割安な水準ではなさそう

です。

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※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③1995~2018年の各年末のデータから、

★平均値:1.26

★中央値:1.32

④近年の経験則の域を出ませんが

★1.05以下は株式は割安圏?

★1.40以上は株式は割高圏? と推測
⑤米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20190119164934p:plain※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2018年末 

米国の時価総額は2019年11月末で約「36.4兆ドル」(前月末は「35.3兆ドル」)。

2019.7月「36.3兆ドル」を上回り過去最高。

2019年11月末の米国バフェット指標は「1.70」(前月末は「1.65」)。

現在、割高圏の目安「1.4」を上回っていると推測され、米国株式は

割高圏?

と推測。

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※データ出所:https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳のデータより作成

※2019年米国名目GDP:21.44兆ドル(IMF推計)

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではなさそう

ジャンク債スプレッド割高?(割安ではなさそう)

S&P500のPBR⇒割安ではなさそう

 ★米国バフェット指標 ⇒割高圏?

総合的に判断すると、わたしは米国株式は

割高?

と推測。

現時点での米国株の長期投資のタイミングとしては

①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す

②資産配分において、株式の配分比率を減らす

③資産配分において、現金の配分比率を増やす

④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※概ね10年以上を想定した長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で  

ITバブル、サブプライムバブル、現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

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かなり割高っぽい米国株。

・「恐怖指数」「ジャンク債スプレッド」「失業率」:低水準

・「S&P500のPBR」「シラーPER」:高水準

・長短金利差:前週よりやや縮小

おわりに

年明け中国の金融緩和が好感され、ご機嫌な相場が続くかと思いきや、イランがらみでリスクオフ。

どの程度影響が出るか。

どのくらい続くか。

そんなことは分かりませんが、年またぎで保有していたポジションの整理を考えていて、昨日はブログは書きませんでした。

 

年またぎでポジションは大きくなく、

A:ロング:日本の小型株(約30銘柄に分散。1800万くらい)

B:ショート:日経平均プットオプション・買い(1月限月23625)

A群はBより500万円ほど規模が小さく、トータルでは日経平均より下げなさそうな売買代金の少ない地味な銘柄が多いので、下げ続けるなら処分せずできるだけ引っ張りたいのですが、どこで反転するかは不明。

結局、Aの買いポジションを5回に分けて処分しながら、処分した分だけ日経平均を5回に分けて買い、今週末には指数ロングとプットを同時に処分して、いったん撤退しようか、というのが現時点での今週の戦術。

また、2月が限月の遊びのプットオプションの買いをごく少額ながら持っており、それは処分せず、来週以降も下げたら、それが少しは利益を出してくれるかも、ということで手を打つ予定。

文章にすると簡単ですが、あーだこーだ、急な動きが出ると悩みますね。

悩んだところで、うまくいくかはやってみないとわかりませんが。

 

とりあえず大規模な紛争にならず、理不尽なとばっちりを受ける人ができるだけ少なく済めばよいですが、どうなりますか。

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