ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

日経平均PBR「1.0」割れは買いシグナルか

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今の日経平均のPBRは「0.99」倍。

日経平均のPBR「1.0」倍割れは「割安」状態を示唆し、買いシグナルである、とする意見を見ることがあります。

以下、日本市場のPBRに関する個人的な考え。

(参考記事)

株式こうみる:TOPIXのPBR1倍が下値目安、日経平均換算で1万9500円=みずほ証 三浦氏 - ロイター

株、日経平均は「割安にあらず」 PBR1倍は1万3600円、さらなる調整も :日本経済新聞

①そのPBRは加重平均ベースか指数ベースか

media.rakuten-sec.net

詳しくは上記記事を。

日経平均のPBRには

★「加重平均」

★「指数ベース」

の2種類があり、一般には

加重平均でのPBRが持ち出されることが多い模様。

両者の違い。

★「加重平均」:時価総額の大きい銘柄の影響が大きくでる

★「指数ベース」:日経平均株価に影響を与える銘柄の影響が大きくでる

上記記事の主張は

日経平均のPBRの話をするのなら「日経平均株価に影響を与える銘柄の影響力が大きくでる」指数ベースPBRの方が妥当ではないか

というもの。

わたしは

無理に一方に限定せず両方見て考える

という立場。

ちなみに2020.3.6の日経平均のPBRは

★加重平均:0.99倍

★指数ベース:1.53倍

両者には大きな差があります。

②もっと低い時期があった

日経平均のPBRは「1.0」倍を大きく割り込む時期がありました。

加重平均では

★2009年3月:「0.81」(リーマンショック後)

★2012年6月:「0.87」(欧州債務危機)

と「1.0」倍を大きく割り込む時期があります。

指数ベースでも

★2008年10月:「0.87」(リーマンショック後)

★2009年3月:「0.87」(リーマンショック後)

と「1.0」倍を大きく割り込む場合がありました。

「1.0」倍から1~2割下がることもある、という実例。

※データ元:ヒストリカルデータ - 日経平均プロフィル

③東証一部は「0.7」倍の時期も

日経平均でなく東証一部のPBRの場合、リーマンショック後や欧州債務危機において

「0.7」倍

まで下がっていました。

また東証一部PBRの1999年1月~2020年2月の平均、中央値はともに約「1.1」倍です。

東証二部のPBRに関しては2018年1月の「1.0」倍を除いて、2007年8月以降12年以上ずっと

「0.9」倍以下

です。

PBR「1.0」倍割れは「割安」状態と盲目的に考えるのはリスキーな面もあるかと。

おわりに

個人的には長期的視点で市場全体のPBRを見るのは役立つ場合が多いと考えます。

例えば、日経平均のPBR(加重平均)の直近ピークは

●2018年1月:「1.39」倍

であり、今の「0.99」倍は当時より3割ほど割安といえそうで、当時に比べれば投資の期待値は上昇していると推測します。

ただ一概に

日経平均PBR「1.0」割れは絶好の買いシグナルか?

といわれればやや色眼鏡。

そこからもう1段、2段落ちることもあるかもしれない、というのが過去データからのメッセージ。

近年の目ぼしい下落相場のPBRデータ(下落相場での最低値)を表で見てみます。

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※データ元:ヒストリカルデータ - 日経平均プロフィルその他統計資料 | 日本取引所グループより作成

ひどい金融危機だったリーマン後は別格とすると、今はそこそこ下がっています。

日本市場のPBRだけで考えると、今は

①普通のリスクオフ局面ならそろそろ割安感あり。少しずつ買っていってもいい時期?

②もっとやばいリスクオフ局面の前段階に過ぎず、世界的不況+円高モードが来ればもう何段階か下がるかも?

のどちらか?という印象。

今が「普通のリスクオフ局面」なのか、「もっとやばいリスクオフ局面の前段階」なのか、わたしには分かりません。

今後のコロナ(特に欧米の景気動向)と円高の進行具合(東証一部PBRが0.7倍だった欧州債務危機の頃はかなり円高傾向だった)が気になるところ。

個人的には欧米の景気指標の悪化や欧米での感染者数の増加が確認されそうな3月は、株価の急騰への対処も考えつつ、とりあえず小さめのポジション、やや下げ目線でお茶を濁そうかというところ。

※ちなみにTOPIXは2018年1月ピーク「1911」から「1471」に下落。現在「-23%」の水準

※今が底かは全く不明。投資は自己責任で

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