今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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日経平均
※出所:日経平均株価【998407】:国内指数 - Yahoo!ファイナンス
3.19は「16553」で前週比「-5.0%」。
2月末は「21143」で3月月間では「-21.7%」。
日経平均の直近の高値は2018年10月の「24448」で今は高値から「−32.3%」の水準。
日本10年債利回り
※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成
3.19は約「+0.11%」(前週末は「0%」)で前週より大きく上昇。
不気味な上昇。
今回のリスクオフ局面では一時世界的に国債にマネーが逃避していましたが、最近は米ドルを中心とした現金需要が高まり、結果、国債からもマネーが離れ、国債利回りが上昇している国もちらほら。
ドル/円
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
3.20は1ドル「110.8」円。前週末は「107.9」円で大きく円安(ドル高)に。
ドル需要が高まる展開。
<米ドル指数:ここ1ヶ月>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
来週はどうなりますか。
2019年のピークは4月「1ドル=112.41円」で、ボトムは1月の「1ドル=104.97円」。
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2020年2月末
3.19の日本バフェット指標は「0.89」で前週の「0.87」より上昇。
直近の10年移動平均は「0.87」であり、今は平均付近。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは
日本株は普通の水準?
と推測。
2013年3月以降、7年ほど10年移動平均をずっと上回っていましたが、久々に平均付近に戻っています。
直近の月末値ピークは2018年1月の「1.29」(このときは移動平均から「66.6%」上方かい離)。
日本の時価総額は約「502.5兆円」(全市場の合計値)。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を31.8%下回っています。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2019年4月12日
2019.3.13 19681億円(約2.0兆円)。
前週比-4040億円の激減。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」を明確に下回り、この指標からは
やや割安?
と推測。
<2017.10.27以降の推移・月末の概算値と直近数値>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年2月末
2020年2月末の東証一部PBRは「1.0」(前月比-0.2)で大きく低下。
今はざっと1~2割ほど下げて「0.8~0.9」倍くらいか?
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
長期平均は「1.1」で水準としては
やや割安?
と推測。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2020.1.31
3.13は「-31.02」。
前週の「-20.39」からマイナス幅が急拡大。
節目の「-30」を下回り、リーマン以来の低い損益率。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
不安?
と推測。
割安の目安「-20」以下なので、割安である可能性。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
1998年からの
・長期平均:24.9
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ5年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
3.19は「58.45」。前週の「51.10」より上昇。
長期平均は「24.65」であり、投資家心理は
不安?
と推測。
割安の目安「30」より大きく株価水準としては「割安である」可能性も。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2019.5月:25
2019.8月:26
2020.3月:59
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒ふつう?
★信用買い残⇒やや割安?
★東証一部PBR⇒やや割安?
★信用評価損益率⇒割安?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安?
上記から日本株式の水準は
「やや割安~割安?」(投資タイミングとしてポジティブ要因)
と推測します。
また
★日銀の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)
★日本の景気 :悪化傾向(ネガティブ要因?)
と推測。
株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で日本株の投資タイミングに関して
株価水準は魅力的だが決して安易に出動したくないタイミング
か。
★景気(企業業績)がどれだけ悪くなっていくかが想像がつかない
★ボラが大きく恐怖指数が高すぎ、安易に出撃するとボラにやられて討ち死にするリスクが高め?
★何が起きるか分からず静観がベター?
という状況か。
※個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
バブル後の株価低迷期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
最近のバブル後の株価低迷期との比較です。
●日本バフェット指標:2013年以降の日銀や年金のETF買いもあって、2003年や2009年と比較するのは少し無理があるか
●信用買い残:さらに減りそうな雰囲気
●東証一部PBR:1.0倍は2月末のデータ。今はそこそこに下がっていそう。
●信用評価損益率、日経VI:歴史的な数値
●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-32.9%」の水準
●東証リート指数:引き続き暴落。2003年の水準まであと13%。Jリートはかなり割安かも
日銀ETF買い
2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円の買い出動。
下記サイトによれば今週は2回出動し3200億円ほど購入。
一回当たりの購入額は3月以降1002億円以上に増えており、3/19には一日で2000億円購入。
必死感が伝わる状況。
※参照サイト:●TOPIX:日銀ETF買い入れ結果、https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/
あとがき
※出所:https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/b01f7d05a1124fdb8fc25f6e94d3d50d
2月のグローバル製造業PMIの劇的な低下を示したグラフ。
今、米国、欧州でコロナが猛威、中国が収束してきていればプラス要因ですが、世界景気は「急激」で「ひどい」落ち込みをみせていそうな雰囲気。
金融市場も大荒れ。
いつものBaa社債と米国債とのクレジットスプレッドです。
恐ろしく鋭角的な拡大を今みせており、スプレッドは4%を超えました。
ITバブル崩壊期を上回り、この指標で今よりひどいのはリーマン後の2008年10月~2009年5月しかありません。
今後はどうなるか不明ですが、
★ここまで急速に世界景気が大ダメージを受けること
★同時に、ここまで急速に世界的な株価暴落が起きること
はほとんど誰も想像していなかった事態であると思われ、しばらくは何でもあり、最大限の警戒で臨む方針。
そうはいっても個人的にはまだキャッシュ100%(打診買いのポジションは瞬殺され損切り)、Jリートの歴史的割安水準に心を奪われ、
Jリートを買いたいけどこのボラは無理、いっそ両建てして頃合いをみてショートサイドを減らしていって・・・
とか、相変わらずせこい考えが湧いてくる落ち着かない一週間でした。
おそらく投資のビックチャンスがすでにきているか、そのときは近い雰囲気。
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