先週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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日経平均
※出所:マーケット|SBI証券
5.29は「21878」で前週比「+7.3%」。
5月月間では「+8.3%」。最後の週に急騰。
日経平均の直近の高値は2018年10月の「24448」で今は高値から「−10.5%」の水準。
日本10年債利回り
※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成
5.29は約「-0.00%」(前週末は「-0.01%」)で前週とほぼ変わらず。
0%付近での推移。
ドル/円
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
5.29は1ドル「107.8」円。前週末は「107.6」円で、やや円安傾向。
2019年は「1ドル=104.97~112.41円」のレンジ。
今年も概ねレンジ内。
米ドル指数は週間で低下傾向。
<米ドル指数:ここ1週間>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2020年5月末
5.29の日本バフェット指標は「1.08」で前週の「1.03」より上昇。
直近の10年移動平均は「0.88」であり、今は平均より高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは
日本株はやや割高?
と推測。
直近の月末値ピークは2018年1月の「1.29」(このときは移動平均から「66.6%」上方かい離)。
日本の時価総額は約「613.2兆円」(全市場の合計値)。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を16.7%下回っています。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2020年3月27日
2020.5.22 20442億円(約2.0兆円)。
前週比+211億円。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」を下回り、この指標からは
やや割安?
と推測。
<2017.12.29以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年3月末
2020年4月末の東証一部PBRは「1.0」(前月比±0)。
2~4月は「1.0」倍で変わらず。
今は1.1倍程度か。
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
長期平均は「1.1」で水準としては
ふつう?
と推測。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2020.1.31
5.22は「-17.70」。
前週の「-20.10」からマイナス幅が縮小。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
やや不安?
と推測。
久々に割安の目安「-20」以下の水準から脱出。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.4
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
5.29は「27.60」。前週の「29.80」より低下。
まだ少し高い水準。
長期中央値は「23.4」であり、投資家心理は
やや不安?
と推測。
割安の目安「30」よりやや低いものの、株価水準としては「割安である」可能性も。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2019.5月:25
2019.8月:26
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
前週と大きく変わらず。
★日本バフェット指標⇒やや割高?
★信用買い残⇒やや割安?
★東証一部PBR⇒ふつう?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は
「ふつう?」
と推測。
また
★日銀の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)
★日本の景気 :悪化傾向(ネガティブ要因?)
と推測。
株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で日本株の投資タイミングに関して「ふつう」(ニュートラル)。
リスク資産への配分を控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。
※個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
バブル後の株価低迷期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
割安感、大いに減退。
●信用評価損益率:-20を上回る
●日経平均VI:高め
●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-18.2%」の水準
日銀ETF買い
2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円の買い出動。
下記サイトによれば今週は0回の出動。
※参照サイト:日銀ETF買い入れ結果、https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
2020.5.29のドル建て日経平均は「204.26」。
直近ピークは「219」程度。
3月大幅に低下していましたが、一気に上昇。
あと7%程度で219に届くところまで戻しています。
あとがき
※出所:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00034.htmlより作成
日本の有効求人倍率は急速に低下してきていますが、5月の株価は好調。
概算値ですが、直近ピークまで
○ドル建て日経平均:あと+7%(204⇒219)
○日経平均:あと+12%(21878⇒24448)
○TOPIX:あと+22%(1564⇒1911)
に迫っています。
TOPIXに関してはまだ距離が遠く、日経平均に採用されている値嵩株の盛り上がりを示すデータ。
時価総額に関しても、2018年12月の急落からやや立ち直った2019年1月程度の水準であり、一部健闘している上澄み銘柄の水準に引きずられて
「今の日本株は強い」
と信じ込むのはやや偏った見方かと思われます。
ただ、ここ2ヶ月でそれなりに戻してきているのは事実。
3月以降漂っていたそれなりの割安度合いはかなり減退した印象。