ユキマツの「長期投資のタイミング」

投資歴16年目。 「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

株高 債券高 不況 ~米国市場の概況~

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先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

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※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

7.12は「3185」。前週末比「+1.8」。

7月月間では「+2.7」。

2020.2月の最高値「3394」から「-6.2%」の水準。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20200712151813p:plain※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

7.10は「0.64%」。前週の「0.67%」より低下。

先週は株高、債券高。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<1990年~>

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<先週>

f:id:yukimatu-tousi:20200712151954p:plain※出所:S&P 500 VIXインデックス

7.10は「27.29」。前週の「27.68」よりやや低下。

長期的にはやや高水準。

水準としては長期平均(「19.3」)より高く、米国の市場心理は

やや不安?

と推測。

今は割安時期の目安の「30」以下。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.12月:「36」

・2020.3月:「85

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

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ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

※本記事ではオプション調整後

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.4

 ★中央値:3.2

<期間:1997.1月~2020.6月の月末>

5%以上のスプレッドの時期に株価は概ね割安か?

推移グラフと現在の状況判断

<1997年以降>

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※出所:
ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※期間:1997.1月末~2020.7.9
2020.7.9時点のジャンク債スプレッド(%。格付けBB、オプション調整後)は「4.42」で、前週の「4.45」よりやや低下。

スプレッドの長期中央値は「3.2」で今は平均以上、投資家心理はやや不安?か。

<ここ1年>

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※出所:
ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成  

●FRB、無制限の量的緩和(2020.3.23頃)

●FRB、ジャンク債(BB格まで)を購入(2020.4.9頃)

というアナウンスを契機に今のところBB格のスプレッド拡大は押さえ込めている印象。

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

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※出所:S&P 500 Price to Book Value

1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。

7.10時点の推計値は「3.48」。

3.1~3.2台でウロウロしていましたが、2000.6.8には「3.53」倍にまで急上昇。

その後一時低下するも最近また高水準に。

長期の中央値「2.77」を26%ほど上回っており、現在株価は

割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018.1.26:3.60倍

②2018.9.21:3.51倍

③2020.1.17:3.76倍

④2020.6.8:3.53倍

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※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

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米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

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※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2019年末 

米国の時価総額は2020年5月末で約「34.8兆ドル」。

2020年5月末の米国バフェット指標は「1.62」。

今のS&P500は5月末(3044)より5%ほど高い水準。

長期の米国バフェット指標の中央値「1.33」より高い可能性が高く、株価水準は

割高?

か。

※2020年2~3月のWFEの米国時価総額データは誤りである可能性が高く、今は使用せず。2020年5月のデータからの適当な推測です。ご参考までに

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※データ出所:https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳Gross Domestic Product (GDP) | FRED | St. Louis Fedのデータより作成

※2020年1Q米国名目GDP推計値:21.54兆ドル

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではない?

ジャンク債スプレッド⇒割安ではない?

S&P500のPBR⇒割高?

 ★米国バフェット指標 ⇒割高?

以上から米国株の水準は

割高?(投資タイミングとしてネガティブ要因?)

と推測。

また

★米国の金融政策:緩和的(ポジティブ要因)

★米国の景気 :悪化傾向?(ネガティブ要因?)

と推測。

株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で米国株の投資タイミングに関して、ややネガティブ~ネガティブ?な印象。

※個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

最近のバブル崩壊後の株価低迷期と現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

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割高感が強まった印象。

・S&P500のPBR:高水準

・シラーPER:わりと高水準

米国、新型コロナ新規感染者数

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6月以降、増加傾向。

2020.7.11の新規感染者数、約6.3万人(7.4は約5.0万人)。

増加速度は加速中。

「夏になれば、気温や湿度の上昇でウイルスの活動はおさまってくれるかも」

という見立ては、米国に関しては否定される状況か。

※2020.7.11までのデータ

※出所:https://news.google.com/covid19/map?hl=ja&gl=JP&ceid=JP%3Aja&mid=%2Fm%2F09c7w0

FRB総資産推移

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※出所:Assets: Total Assets: Total Assets (Less Eliminations from Consolidation): Wednesday Level (WALCL) | FRED | St. Louis Fedより作成

激増していたFRBの総資産は6月10日をピークに4週連続で減少中。

ただの経験則かもしれませんが、市場にはネガティブか。

おわりに

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※出所:Real Personal Consumption Expenditures (PCEC96) | FRED | St. Louis Fedより作成

米国の実質個人消費支出、前年同月比(%。数値は概算値)。

※米国GDPの7割ほどは個人消費支出

前回の景気後退時のボトムは「-2.4%」(2009.4月)程度でしたが、今年は

●2020.1月:+3.0%

●2020.2月:+3.1%

●2020.3月:-4.3%

●2020.4月:-16.3%

●2020.5月:-9.8%

という状況。

2008年の金融危機後の総悲観モードのボトムがせいぜい「-2.4%」だったことを考えると、米国の実体経済はおそらく今も相当に厳しい状況にあると推測。

今後どの程度本格的な回復をみせていくかは不明ですが、米国はコロナ感染拡大の途上でもあり、大けがしたくないわたしは少なくとも次の秋から冬のコロナによる悪影響に関しては、それなりに気する派。

「11月の大統領選後に米中対立が先鋭化+北半球でコロナ再拡大」

は市場にとって最悪シナリオか。

※そうなる、という予測ではなく(先のことは不明)、もしものリスクシナリオの一つ

政府のばらまき等でしのぐことが可能な範囲ですみ、杞憂に終わればいいですが。

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