最新の世界景気をCLIで観察してみます。
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①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2020年6月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
最新値、2020年6月のデータは「97.13」(前月比+1.79)。
4月をボトムに大幅な上昇が2ヶ月継続。
●2018年1月:100.86(直近のピーク)
●2019年8月:99.41(1つめのボトム)
●2020年1月:99.55(最近のプチピーク)
●2020年4月:93.84(2つめのボトム)
というのが最近の目立つポイント。
トレンドとしては
①2018年2月から2年半以上続く景気減速トレンドか?
②2020年4月に底打ちし景気拡大トレンドに反転しているか?
という状況。
景気水準自体は
・とても悪い
といえそう。
<CLI:1961年以降>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
※期間:1960.1~2020.6
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~
②主要国CLI
主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。
期間は2018年1月~2020年6月です。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
<赤:日本 オレンジ:ドイツ 紫:米国 青:中国>
中国に関して。
今回のデータでは2月に底打ちし、3~5月まで回復傾向を示唆。
5月から6月は横這い。
水準としては100にやや届かない「99.3」。
米国、ドイツは4月をボトムに5,6月は改善。
日本は5月をボトムに6月やや改善。
中国が7月以降、改善してくるか、100以下でグズグズする展開となるか。
参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較
<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2020.2
<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2020.2
「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い時期」
はどちらかといえば、世界景気の減速期ではなく、拡大期?
というのが本ブログのスタンス。
おわりに
ふつうの景気後退で、今は「金融緩和政策+大規模な財政政策下」にあり
「世界景気は4月に大底、その後は景気拡大傾向」
とみるなら
「景気拡大にあわせてリスク資産の比率を大きくしていく」
という判断もしやすいのですが、相手はコロナ。
☆4月はロックダウンなどの影響が世界的に最も顕著に表れた時期であり、経済活動を始めれば4月をボトムに景気が回復してるように見えるのはごく自然
☆新型コロナの北半球での活動性が高まるかもしれない次の秋~冬に世界景気はどうなるか
といった観点から、
「世界景気拡大ともにリスク資産への配分を上げていく長期投資」
という手法はとりにくい状況か。
政府のばらまきを前提にした楽観も強く、すでに株価水準は高そうであり、個人的にはリスク資産への配分は小さめにリバランスしながらのんびり構えているのが無難と感じる状況。
<中国のCLI>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
6月は停滞した中国のCLIが今後節目の100を超えてくるかどうかは気になるところ。
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