今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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日経平均
※出所:マーケット|SBI証券
1.15は「28519」で前週比「+1.4%」。
12月末は「27444」で1月月間では「+3.9%」。
日経平均の直近高値は2021年1月の「28980」。
日本10年債利回り
※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成
1.15は約「0.03%」(前週末は「0.04%」)で前週より低下。
ドル/円
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
1.15は1ドル「103.9」円。前週は「104.0」円で今週は円安。
2020年は「1ドル=101.2~112.2円」の変動で今は昨年のレンジ内。
米ドル指数は前週「90.0」。
今週は「90.8」でドル上昇。
<米ドル指数:ここ1週間>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2020年11月末
1.15の日本バフェット指標は「1.35」で前週(1.35)と変わらず。
1989年頃のバブル(過去最高は「1.45」)以降では最高水準。
直近の10年移動平均は「0.92」であり、今は平均より約47%高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は
割高?
と推測。
1.15の日本の時価総額は約「711.7兆円」(全市場の合計値)。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を3.4%下回っています。
約3年前の史上最高水準を超えてくるかどうか。
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2020年3月27日
2021.1.8 24124億円(約2.4兆円)。
前週比+72億円。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」付近でこの指標から株価水準は
ふつう?
と推測。
<2018.10.26以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年12月末
2020年12月末の東証一部PBRは「1.3」倍(前月比+0.1)。
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
長期平均は「1.1」で水準としては
やや割高?
と推測。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2021.1.8
1.8は「-11.12」。
前週の「-12.40」より改善。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
ふつう?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.4
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
1.15は「23.04」。前週の「20.70」より大きめに上昇。
日経平均VIの長期中央値は「23.4」であり、投資家心理は
ふつう?
と推測。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高?
★信用買い残⇒ふつう?
★東証一部PBR⇒やや割高?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は
「割高?」
と推測。
日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ~ネガティブ」か。
リスク資産への配分を控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。
※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
今週はややリスクオン。
●日本バフェット指標、日本の時価総額:高水準
●信用買い残、信用評価損益率、日経平均VI:ほぼ平均値
●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-2.8%」の水準
日銀ETF買い
2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円、2020年は約7.1兆円の買い出動。
下記サイトによれば先週は1回の出動で501億円の購入。
今年はしばらく501億円か。
1/15、さほど下げていませんでしたがこの水準でも機械的に購入。
※参照サイト:日銀ETF買い入れ結果、https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/
※設備ETFの購入は換算せず
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
2021.1.15のドル建て日経平均は約「275」で前週より上昇。
コロナ前の直近ピークは約「219」。
コロナ後の上げ相場のピークは約「276」(2021年1月)。
あとがき
NT倍率 | 金融・証券用語解説集 | 大和証券より以下、「NT倍率」の説明を引用。
日経平均株価を東証株価指数(TOPIX)で割って計算した指標。 両者の頭文字をとって「NT倍率」と呼ばれ、一般的に10倍から12倍程度で推移するとされています。日経平均株価は値がさ株の影響が強く、TOPIXは時価総額が大きい銘柄の影響を受けやすいという各指数の特色があります。
<NT倍率:ここ10年>
※出所:マーケット|SBI証券
ここ10年のNT倍率の推移。
2011~2017年頃は概ね「11~12.5」倍程度。
2018年以降上昇傾向が止まらず。
2020年3月のコロナショックで一瞬13倍を下回るもその後急上昇。
今は15倍を超えています。
「日経平均株価が○○年以来の数十年ぶりの高値水準にある」
という表現を最近よく見ますが、TOPIXや日本の時価総額は3年前、2018年1月のピークに届いていません(当時をわずかに下回る水準)。
日本の株式市場は全体として2018年1月とほぼ同じくらい投資家に評価されているが、日本の株価指数の一つ、日経平均株価は当時(2018年1月のピークは「24129」。今は「28519」)より大きく上昇している、ということ。
NT倍率の急騰は日経平均に採用されている一部の値嵩株に資金が集中して投じられている状況を示唆。
これだけの株高感があっても信用買い残、信用評価損益率は長期平均付近で2018年1月頃のような個人を含めた市場全体の高揚感は全く感じられず。
一部の銘柄に頼ったいびつな株高感、個人的にはそろそろ行き過ぎ感も感じますが、先のことは分からず、引き続き
「日経平均、買い」
「TOPIX、売り」
のロングショートポジションで比較的安定的に利益が乗り続ける状況が続くかどうか。