ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

潮目は変わるか ~日本市場の概況~

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今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

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日経平均

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※出所:マーケット|SBI証券

1.29は「27663」で前週比「-3.4%」。

12月末は「27444」で1月月間では「+0.8」。

日経平均の直近高値は2021年1月の「28980」で今は「-4.5%」の水準。

日本10年債利回り

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※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成

1.29は約「0.05%」(前週末は「0.04%」)で前週より上昇。

ドル/円

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※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com

1.29は1ドル「104.7」円。前週は「103.8」円で円安。

2020年は「1ドル=101.2112.2円」の変動で今は昨年のレンジ内。

米ドル指数は前週「90.2」。

今週は「90.5」でドル高。

<米ドル指数:ここ1週間>

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※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2021年1月末

1.29の日本バフェット指標は「1.29」。

1989年頃のバブル(過去最高は「1.45」)以降では2018年1月と並んでほぼ最高水準。

直近の10年移動平均は「0.93」であり、今は平均より約38%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

割高?

と推測。

1.29の日本の時価総額は約「695.1兆円」(全市場の合計値)。

確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。

現在は最大値を5.7%下回っています。

約3年前の史上最高水準はやや遠ざかる。

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※出所:日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

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※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2020年3
月27

2021.1.22 26105億円(約2.6兆円)。

前週比+943億円と大きめの増加。

直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。

水準としては長期平均の「2.4兆円」よりやや多くこの指標から株価水準は

ふつう~やや割高?

と推測。

<2018.10.26以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

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出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR 

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※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年12月末

2020年12月末の東証一部PBRは「1.3」倍(前月比+0.1)。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均は「1.1」で水準としては

やや割高?

と推測。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率

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※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2021.1.8

1.22は「-10.05」。

前週の「-11.93」より改善。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

ふつう~やや楽観?

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.4

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

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※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

1.29は「28.63」。前週の「21.20」より大きく上昇。

日経平均VIの長期中央値は「23.4」であり、投資家心理は

やや不安?

と推測。

節目の30には届かず。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2018.2月:38

2018.10月:31

2018.12月:33

2020.3月:61

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高?

★信用買い残⇒ふつう~やや割高?

★東証一部PBR⇒やや割高?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?

上記から日本株式の水準は

「割高?」

と推測。

日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ~ネガティブ」か。

リスク資産への配分を控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

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引き続き割高っぽい状況。

●日本バフェット指標、日本の時価総額:高水準

●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-5.3%」の水準

日銀ETF買い

2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円、2020年は約7.1兆円の買い出動。

下記サイトによれば今週は1回の出動で501億円の購入。

今年1月の4回の介入はすべて501億円。

1/29の株価指数は大き目に下げましたが、午後から急速に下げたこともあってか、日銀サポートなし。

単なる推測ですが、午前に売ると日銀がやって来るので、短期的な売り崩し派は午後に攻勢を強めやすい?

※参照サイト:日銀ETF買い入れ結果https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/

※設備ETFの購入は換算せず

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

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※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

2021.1.29のドル建て日経平均は約「265」で前週より大きめに低下。

久々の下げ。

コロナ前の直近ピークは約「219」。

コロナ後の上げ相場のピークは約「278」(2021年1月)。

あとがき

2021年1月の月間騰落率。

TOPIXは「+0.2%」。

ドイツDAXは「-2.1%」。

S&P500は「-1.1%」。

潮目は変わり、2020年3月以降の上げ相場が変調するかどうか。

包括的な世界景気指標の一つ、グローバル複合PMIは2020年11月をピークに2020年12月は低下(53.1⇒52.7に低下)。

※複合:「サービス業+製造業」の意味

近日発表される2021年1月の数値も続落するようなら、この指標的には株価が崩れ出すのにもさほど違和感なし。

<グローバル複合PMI>

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※出所:https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/32d80e21cca44f2d83da9927a4855e34より作成

一方、OECDが発表している景気指標、CLI(OECD全体)は2020年12月も景気回復継続を示唆。

<CLI(OECD全体)>

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※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
両者ともマクロな景況感の指標として参考になると思われますが、今回はどっちがより有効な指標となるか。

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