即時性の高い米国の景気指標として
ECRI景気先行指数
があります。
この指標からほぼリアルタイムの米国景気動向を確認する記事。
ECRI景気先行指数とは
米国の民間調査機関ECRIが毎週発表している指数。
★指数が大きくなる⇒景気がよくなる
★指数が小さくなる⇒景気が悪くなる
と判断。
1967年以降の週次のデータが公表されており、50年以上の歴史を持つ米国景気指標。
※Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIで入手可
ECRI景気先行指数は「マネーサプライ」「JOC-ECRI工業市場価格指数」「住宅ローン申請」「債券実質金利」「株価」「債券利回り」「失業給付申請」の、株価を含めた7つの要素で指数化された指数。
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ECRI景気先行指数の今
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIより作成
2017年1月以降の推移。
最新データ2021.1.22のECRI景気先行指数(以下、先行指数)は
「150.1」(前週比-0.2)。
大幅な上昇で150クラスにジャンプアップした先週よりやや低下。
近年では高水準。
2017年以降のECRI景気先行指数とS&P500、その傾向
2017年1月以降の「先行指数」と「S&P500」の週足データをグラフ化したもの。
以下、最近の経験則。
<先行指数が低下トレンド>
先行指数が低下トレンドにある時期は株価下落リスクは高め。
リスク資産の比率は控えめの守備的スタンスが無難か。
<先行指数が上昇トレンド>
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより作成
※期間:2017.1.6~2021.1.22
先行指数が上昇トレンドにある時期は、株価上昇の可能性が高め。
リスク資産の比率は大き目の攻撃スタンスが報われやすいか。
いずれにせよ株価と同様、先行指数のトレンドがいつまで続くか?といったトレンドの先読みを確実に行うことは困難であり、その意味では単なる結果論に過ぎませんが、最近の傾向。
最新のECRI景気先行指数とS&P500
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより作成
株価(S&P500)は上昇、先行指数はやや低下した2021年1月第4週。
少しイヤな感じ。
ECRIの経験則と米国株へのアクセルの踏み具合
★先行指数が最近のここ数年のピーク付近⇒アクセルを緩めてもよい?(ネガティブ面)
★週間では株価が上昇しているのに数値が低下。株価以外の景気要因が悪化している?(ネガティブ面)
★2020年3月以降の上昇トレンドは継続している?(ポジティブ面)
個人的にはごく控えめのリスクテイクというスタンス。
<個人的にしっくりくる米国株へのアクセルの踏み具合>
20%程度の強さ?
※個人の感想です。投資は自己判断、自己責任で
おわりに
世界景気動向の指標の一つ、グローバル複合PMIの最新値確認。
2020年11月:53.1
2020年12月:52.7
2021年1月:52.3
と2020年11月以降、低下傾向。
※複合はサービス業+製造業の意味
※出所:https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/919706c7c8694298b9c58c8c031d9d05より作成
サービス業に比べて好調だったグローバル製造業PMIも
2020年11月:53.8
2020年12月:53.8
2021年1月:53.5
と、2020年12月は横這い、2021年1月は低下に転じ、2020年5月以降の急回復モードに一服感あり。
一時的な踊り場ですむのか、しばらく景気減速トレンドが続くのか、先のことは不明。
今は新型コロナウイルス拡大により非常時としての金融政策、財政政策が実施され得る状況。
景気トレンドを参考にした投資スタンスは平時に比べて有効性が低い可能性もありますが、とりあえず
①世界景気のトレンド転換⇒株価も頭打ち
というベタな落ちと
②コロナが徐々に収束に向かい景気の踊り場は短期間で終わり、景気回復で株価上昇
③コロナが徐々に収束に向かうと、金融政策、財政政策が平時モードに戻り、市場、株価にとって今より厳しいスタンスになり、株価は頭打ち
④コロナが収束に向かわず、市場にとって優しい非常時の金融政策、財政政策が続き、株価は大崩れしない
⑤コロナが収束に向かっても、市場にとって優しい非常時の金融政策、財政政策がしばらく解除されず、株価は上昇
といった主に5パターンを想定。
株価水準はすでに高そう、というわたしの主観も考慮すると、結局うだうだ考えても長期投資部分に関しては、今のところごくごく控えめのリスクテイクというスタンスは不変。