ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

止まらない原油価格上昇 ~米国市場の概況~

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先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

f:id:yukimatu-tousi:20220206172456p:plain※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

2.4は「4501」で前週比「+1.6」。

1月月間では「−5.3%」でした。

2022年1月の最高値「4818」より「-6.6」%水準。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20220206172516p:plain※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

2.4は「1.92」。前週は「1.78%」で先週は大きく上昇。

先週は

★株価⇒上昇

★債券利回り⇒大きく上昇

★ドル指数⇒低下

という動きでした。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<ここ5年>

f:id:yukimatu-tousi:20220206172818p:plain※出所:S&P 500 VIXインデックス

2.4は「23.22」。前週の「27.66」より大きく低下。

水準としては長期平均(「19.3」)よりやや高く、米国の市場心理は

やや不安?

と推測。

割安時期の目安の「30」を下回る水準。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.12月:「36」

・2020.3月:「85

・2020.10月:「41」

・2021.12月:「35」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
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ジャンク債スプレッド

本記事のジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

※本記事ではオプション調整後

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.3

 ★中央値:3.2

<期間:1997年1月~2022年1月の月末>

5%以上のスプレッドの時期に株価は概ね割安か?

推移グラフと現在の状況判断

<1997年以降>

f:id:yukimatu-tousi:20220117112407p:plain※出所:ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※期間:1997.1月末~2022.1.13
2.3時点のジャンク債スプレッド(%。格付けBB、オプション調整後)「2.54」で、前週の「2.52」よりやや上昇。

株式市場に比べると債券市場のリスクオフの動きは鈍い印象

前々回記事では上記のように書いていましたが、先々週は大きめにリスクオフ。

先週もやや拡大し2週連続の拡大。

※リーマンショック後のボトム:「1.96」%(2018年1月末)

スプレッドの長期中央値は「3.2」で今は中央値より約21%低い水準。

投資家心理は

やや楽観

か。

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

f:id:yukimatu-tousi:20220207130540p:plain※出所:S&P 500 Price to Book Valueより作成

1999年末~直近のS&P500のPBR推移。

2.4時点の推計値は「4.58」(前週は「4.51」)倍で前週より上昇。

長期の中央値「2.79」を64%ほど上回っており、株価水準は

割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018年1月:3.60倍(直近で世界景気が最もよかった時期)

②2018年9月:3.51倍(直近で米国の経済成長率が最も高かった時期)

③2020年1月:3.76倍(コロナ前、2019年9月以降の世界景気拡大期のピーク)

④2021年12月:4.85倍(コロナ後)

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※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

シラーPER

f:id:yukimatu-tousi:20220207131913p:plain※出所:Shiller PE Ratioより作成 ※期間:1995.1~2022.1

1995年以降のシラーPERの推移。

1995年以降の中央値は「26.4」倍。

2021年12月までの5年移動平均は「31.1」倍。

 

2.4は約「37.2」倍で前週(36.6)より上昇。

長期の中央値より約41%、5年移動平均より約20%高い水準。

株価水準は

割高?

と推測。

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※出所:Shiller PE Ratio

※参考:シラーPER(CAPEレシオ)とは|金融経済用語集 - iFinance

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではない?

ジャンク債スプレッド⇒割安ではない?

S&P500のPBR⇒割高?

☆シラーPER⇒割高?

以上から米国株の水準は

割高?

と推測。

現時点での米国株の投資タイミングに関しては

ネガティブ

な印象。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で

最近のバブル崩壊後の株価低迷期と現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

f:id:yukimatu-tousi:20220207132346p:plain・ジャンク債スプレッド:まだ小さめの水準

・S&P500のPBR、シラーPER:高水準

・長短金利差:先週も縮小

おわりに

先週は長期金利が大きめに上昇しましたが株式市場は比較的平穏。

今週金利上昇の影響が出るのかどうか。

 

先々週拡大したジャンク債スプレッド、先週もやや拡大。

債券市場のリスクオフが始まっているのかどうか。

 

止まらない原油価格上昇。

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※出所:原油先物 WTI 価格 - Investing.com

世界景気と連動しやすいとされる銅価格は今のところ昨年5月がピーク。

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※出所:銅先物 価格 - Investing.comより作成

昨年5月はグローバル製造業PMIが直近ピークをつけた月でもありますが、原油は昨年12月以降上げっぱなし。

ロシア、ウクライナ要因?

投機マネーの流入?

脱炭素がらみの影響?

油田開発計画の遅れ?

要因は定かではありませんが、一部原油高で好影響を受ける銘柄もあるものの、急激な原油価格高騰は経済全体、世界景気の先行きにネガティブと思われ気になる状況。

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