米国リートの割安割高を探ってみる記事。
スポンサーリンク
米国リートスプレッド
米国リートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしは米国リート(IYR)と米国の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「IYRの平均利回り-米国国債利回り(10年物)」
のことを「米国リートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「米国リートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほど米国リートは割安
・小さいほど米国リートは割高
とみなす見方です。
※IYRの利回りは過去1年間の分配金で算出
※「米国リートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
最新の米国リートスプレッド
次に米国リートスプレッド
●【IYRの利回り-米国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2002年9月~2022年5月末です。
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com より作成
2002年9月以降の中央値は約「1.1%」。
2022年5月末は約「-0.6%」で前月「-0.6%」と変わらず。
・IYRの利回り:2.22%
・米国10年物債利回り:2.85%
5月末の「-0.6%」は中央値「1.1%」より大幅に小さく水準としては米国リートは
割高?
と推測。
参考①:米国リートスプレッドとS&P500の推移
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com 、S&P500 インデックス(SPX) - Investing.comより作成
※期間:2002.9~2022.3
あくまで近年の経験則ですが、米国リートスプレッドが概ね2%以上の時期にS&P500は低迷し、割安であったことが多いもよう。
参考②:「米国リート」と「米国10年国債」過去の利回り
下記グラフは2002年9月末~2022年4月末の米国リートと米10年国債の利回りの推移を示したもの。
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com より作成
米国リートの利回りは月末値では
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
・欧州債務危機、チャイナショック、コロナショック:4.0~4.5%
まで上昇。
ほとんどの時期で
「米国リートの利回り」>「米国債の利回り」
ですが、2005年7月~2007年10月は2年以上
「米国リートの利回り」<「米国債の利回り」
となっています。
いわゆる住宅バブルの時期。
あとがき
2022年4月末に続いて5月末も米国リートスプレッドは約「-0.6%」で、2005~2007年の住宅バブル以来の低水準となっています。
2022年3月時点で、米国住宅価格は20%以上上昇していて、分配金受け取りによるキャッシュフローより値上がりによるキャピタルゲインを期待していると思われますが、あとで振り返ると「割高な時期」なのかもしれません。
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com より作成
6月にIYRは約11%下落しており、6.13のIYRの利回りは「2.5%」と5月末より「0.3%」ほど上昇していますが、米10年債利回りは6月に「0.5%」ほど上昇しており、6.13時点の米国リートスプレッドは約「-0.9%」と、5月末の「-0.6%」より「0.3%」ほど拡大している状況。
また6.13のIYRの利回り「2.5%」は、10年債でなく米2年債利回り「3.4%」より、やはり「0.9%」低い水準。
キャッシュフロー的には
2年待てば米国債投資で3.4%ゲットできる状況で
ボラの大きすぎるリートに年利たかだか2.5%で投資する?
と感じる状況。
とりあえず国債利回り上昇にリート利回りの上昇がまったく追いついていない状況で、個人的には現在米国リートに弱気、今、CFDでIYRをお試し程度に空売り中。
もちろん国債利回りが下がり出せば、結構損しそうな取引なので、お試し程度。
※先のことは不明。投資は自己責任で
こんな記事も