ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

ハッスルタイム 終了か ~日本市場の概況~

今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

 

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TOPIX

※出所:マーケット|SBI証券

8.26は「1980」で前週比「-0.8」。

8月月間では今のところ「+2.1%」。

直近最高値2021年9月の「2120」から約「-6.6」%水準。

日本10年債利回り

※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

8.26は約「0.22%」(前週末は「0.20%」)で前週より上昇。

ドル/円(ここ半年)

※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com

8.26は1ドル「137.5」円。前週は「136.9」円で今週も円安。

米ドル指数は前週「108.0」。

今週は「108.8」でドル高。

今は1985年以降で3番目のドル高局面。

<米ドル指数:1985年~>

※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 

※期間:1985年1月末~2022年7月末

8.26の日本バフェット指標は「1.33」で前週(1.34)より低下。

直近の10年移動平均は「1.05」で、今は移動平均より約27%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

やや割高~割高

と推測。

8.26の日本の時価総額は約「741.7兆円」(全市場の合計値)。

昨年3月頃から続いていたレンジ(720~770兆円くらい)に復帰中。

過去最高は2021年9月の805.3兆円。

※出所:日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

f:id:yukimatu-tousi:20220218175914p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2022年2月10

2022.8.19 28831億円(約2.9兆円)。

前週比+403億円。

水準としては長期平均の「2.4兆円」より多く、この指標から株価水準は

やや割高?

と推測。

<2020年1月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

日本株PBR 

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月~2022年7

※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR

2022年7月の日本株のPBRは「1.2」倍(前月比+0.1)。

2021年以降、2022年6月以外は「1.2~1.3倍」で推移。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均は「1.1」で水準としては

やや割高?

と推測。

プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率(2市場、買い方)

f:id:yukimatu-tousi:20210116140958p:plain
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータ ※グラフ期間:2001.6.1~2021.1.8

8.19は「10.55」(前週は「-10.48」)で前週よりやや悪化。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

ふつう

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.4

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

8.26は「18.72」。前週の「18.11」より上昇。

日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は

やや安心?

と推測。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2018.2月:38

2018.10月:31

2018.12月:33

2020.3月:61

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒やや割高~割高?

★信用買い残⇒やや割高?

★東証一部PBR⇒やや割高?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?

上記から日本株式の水準は

「やや割高~割高?」

と推測。

日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ~ネガティブ」か。

リスク資産への配分をごく控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

●日本バフェット指標、日本の時価総額:高水準

●信用買い残、日本株PBR:やや割高水準

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

8.26のドル建て日経平均は約「209」で前週(212)より低下。

コロナ前のピークは約「219」。

コロナ後のピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-28%」水準。

日欧米株価指数、直近ピークからの水準

☆TOPIX直近高値「2120」(2021年9月

 ⇒現在約-7%水準(前週は-6%)

☆欧州株、ユーロ・ストックス50直近高値「4415」(2021年11月

 ⇒現在約-18%水準(前週は-16%)

☆S&P500直近高値「4819」(2022年1月

 ⇒現在約-16%水準(前週は-12%)

※すべて現地通貨建て

今週は日本株、米国株、欧州株、すべて下落。特に米国株が大きく下落。

6月中旬からのハッスルタイム、終了か、まだ続くか。

TOPIXと200日移動平均

※出所:マーケット|SBI証券

ここ1年のTOPIXと200日移動平均。

200移動平均線は横這い。

8.26は移動平均から約「+2.6%」(前週+3.3%)水準で、移動平均の上。

移動平均の上にいるのは

☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)

☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)

☆2022.7月~8月:9営業日(ピークは+1.5%)

☆2022.8月:15営業日(ピークは+3.9%)

来週もこの水準をキープできるかどうか。

おわりに

前々回

投資判断を主に「株価」をみて考えるのか(株価が上がれば強気、下がれば弱気)、その他の指標も重視して考えるのか、投資家間の判断が割れやすそうな、面白い局面。

と書いていましたが、今の今は弱気目線やや優勢な状況。

ジャクソンホール会議でFRBサポート期待が削がれ、株式市場は

☆世界的な景気悪化

☆世界的な金融引き締め

☆昨年異常に高かった投資家のリスク許容度の低下(米国マージンデットや日本の信用買い残は今年大幅に減少中)

という忌まわしい3点セットの現実と向き合わざるを得ない展開となるかも。

今後もし

「米国 ISM製造業景況感指数:50割れ」

「米国失業率が底打ち、上昇に転ずる」

そういったニュースが流れることになれば、普通に悲観は増しそうな雰囲気。

個人的には引き続き

●これだけ金利上昇、インフレで苦しめられて、消費が伸びにくく

●おまけにインフレのため中銀や財政政策によるサポートが受けにくい状況で

●それでも企業利益がさほど削られず、株価もさほどダメージを受けない、という展開にあまり妥当性を感じない派

ですが、先のことはわからず、控えめなリスクテイクが無難と思う2022年。

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