世界景気動向をCLIで確認。
CLI(OECD全体)
<CLI(OECD全体):2018.1~2022.9>
※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
上記は景気指標の一つ、Composite leading indicator (以下CLI。OECD景気先行指数)の2018年1月~2022年9月の推移。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆。
最近では2020年4月がボトム、2021年7~8月頃の「101.3」が直近ピーク。
ピークアウト後13~14ヶ月が経過。
最新値2022年9月は「98.6」。
トレンドは明確に低下傾向、水準としては100以下。
世界景気の先行き、現状ともによくない状態で、株価にとってはネガティブ。
CLIとS&P500
※出所:S&P500 過去のレート - Investing.com、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
コロナ不況の前、ITバブル崩壊時と住宅バブル崩壊時のCLIとS&P500の推移。
CLIはITバブル崩壊後の2003年は「98.3」まで、住宅バブル崩壊後の2009年は「95.1」まで低下。
今回は今のところ「98.6」でITバブル崩壊後の2003年「98.3」に接近中。
コロナ不況を除くと世界景気は過去27年ほどで、2009年、2003年に次いで、3番目によくない水準。
米株のピークは2022年1月。
CLIの直近ピークは2021年7~8月。
5~6ヶ月のタイムラグで米株は下落開始。
今回の米株の下落率のピークは今のところ27.6%程度。
ITバブル後や住宅バブル後と同様、50%を超えるような大きな下落となるかどうか。
インフレが絡んでいるところを意識すると、その可能性も十分あるかも。
おわりに
あくまで個人的な主観ですが、投資において景気動向の確認は投資の基本の一つと思われます。
※出所:S&P500 過去のレート - Investing.com、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
たとえば
☆CLIがいつ天井をつけたか、いつ底打ちしたか、今どの水準にいるか、トレンドは上か下か、確認する
☆CLIが「天井をつけたっぽい」「100.5を下回る」あるいは「100を下回る」なら、一応用心のためリスク資産の配分を徐々に減らしていく
☆CLIが「底打ちしたっぽい」「99.5を上回る」あるいは「100を上回る」なら、リスク資産の配分を増やしていく
そういった積み重ねで、ある程度下げ相場で大損し、上げ相場で儲けそこなう可能性を小さくできる可能性があります。
もちろん株価と同様、景気の先行きを予測することは困難ですが、景気は比較的トレンドが維持されやすい印象。
今のように、一本調子な景気悪化トレンドで、おまけにインフレ退治のため金融引き締めが行われている状況では、引き続き景気悪化がしばらく続くとわたしは推測。
こんな時期に無理に大底を狙ってロングから入るリスクをとらないのは投資の基本。
あくまで、わたしにとっての基本ですが。
※金融引き締めは中銀が行う意図的に景気を悪くしようとする政策であり、今年世界的に景気が悪化しているのは理屈通り