今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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TOPIX
※出所:マーケット|SBI証券
10.14は「1898」で前週比「-0.5%」。
10月月間では今のところ「+3.4%」。
直近最高値2021年9月の「2120」から約「-10.5」%水準。
日本10年債利回り
10.14は約「0.24%」(前週末は「0.24%」)で前週とほぼ変わらず。
ドル/円(ここ半年)
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
10.14は1ドル「148.8」円。前週は「145.4」円で今週も円安。
米ドル指数は前週「112.6」。
今週は「113.2」でドル高。
今は1985年以降で3番目のドル高局面。
<米ドル指数:1985年~>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
※期間:1985年1月末~2022年7月末
10.14の日本バフェット指標は「1.28」で前週(1.28)とほぼ変わらず。
直近の10年移動平均は「1.05」で、今は移動平均より約22%高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は
やや割高~割高?
と推測。
10.14の日本の時価総額は約「712.5兆円」(全市場の合計値)。
昨年3月頃から続いていたレンジ(720~770兆円くらい)を下回る。
過去最高は2021年9月の805.3兆円。
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2022年2月10日
2022.10.7 30137億円(約3.0兆円)。
前週比-2295億円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」より多く、この指標から株価水準は
やや割高?
と推測。
<2020年1月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
日本株PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2022年9月
※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR
2022年9月の日本株のPBRは「1.1」倍(前月比-0.1)。
2021年以降、2022年6月、9月を除いては「1.2~1.3倍」で推移。
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
長期平均は「1.1」で水準としては
ふつう?
と推測。
プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率(2市場、買い方)
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータ ※グラフ期間:2001.6.1~2021.1.8
10.7は「-12.09」(前週は「-13.07」)で前週より改善。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
やや不安?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.4
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
10.14は「24.72」。前週の「23.33」より上昇。
日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は
ふつう~やや不安?
と推測。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒やや割高~割高?
★信用買い残⇒やや割高?
★東証一部PBR⇒ふつう?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は
「やや割高?」
と推測。
日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ」か。
リスク資産への配分をごく控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。
※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日本バフェット指標、信用買い残、日本の時価総額:やや割高水準か
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
10.14のドル建て日経平均は約「184」で前週(187)より低下。
コロナ前のピークは約「219」。
コロナ後のピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-36%」水準。
日欧米株価指数、直近ピークからの水準
☆TOPIX直近高値「2120」(2021年9月)
⇒現在約-11%水準(前週は-10%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)
☆欧州株、ユーロ・ストックス50直近高値「4415」(2021年11月)
⇒現在約-23%水準(前週は-24%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)
☆S&P500直近高値「4819」(2022年1月)
⇒現在約-26%水準(前週は-24%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)
※すべて現地通貨建て
週間で日本株、米国株は下落。
米株は今週今年の最安値更新。
欧州株はやや上昇。
TOPIXと200日移動平均(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
ここ1年のTOPIXと200日移動平均。
200日移動平均線は下向き。
10.14は移動平均から約「-0.9%」(前週-0.6%)水準。
今週は4日移動平均の下ですが、金曜の上げで移動平均に接近。
移動平均の上に連続でいたのは
☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)
☆2022.7月~8月:9営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)
☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)
おわりに
とにもかくにも米国債が落ち着いてくれないと、どこも落ち着かなさそうな状態。
日本株も金曜の日本時間は大幅に上げましたが、取引終了後には大幅に下げています。
米国債10年利回りは最近ボラが大きく、今は4%を越え、世界のリスク資産にネガティブな影響。
日本だけ見ていてもしかたない、という状況でもありますね。
そしてお騒がせ中のイギリス。
下記はここ1ヶ月の10年国債利回り。
※出所:イギリス 10年 | イギリス 10年 債券利回り - Investing.com
10/14で臨時の国債購入が終了するのか、情報が二転三転しよくわかりませんが、一時「3.8~4.0%」まで下げていたものの、この週末に利回りは再度急騰し「4.4%」程度。
結局英中銀介入が始まった9/28の「4.6%」に接近する水準まで、国債が売られているようです。
米国債10年利回りがこれだけ上がれば、欧州国債利回りも上がらざるを得ないわけで、イタリアやギリシアの10年債利回りは5%に接近中。
「2009年10月ギリシャの財政赤字粉飾」に端を発し長らくくすぶり続けた欧州債務危機は2012年7月ECBドラギ総裁の
☆「ユーロを守るためならばECBは何でもやる用意がある」宣言
☆「無制限の国債買い切り」表明
あたりでようやく終息に向かった感がありました。
物価上昇に苦しむ現状では当時と同様の宣言も表明もやりづらいと思われ(インフレ高進懸念で余計に市場が混乱する)、なかなか株価がテイクオフできなかったあの債務危機のぐずぐず状態が再現しないか、心配な状況。