景気指標、製造業PMIの10月速報値について。
PMI
「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。
本記事ではユーロ圏、米国、日本の製造業PMIの10月速報値を確認。
ユーロ圏製造業PMI
※出所:ユーロ圏 製造業購買担当者景気指数より作成
10月速報値は「46.6」。
9月の「48.5」より大幅な低下で数値的には沈み続ける。
過去の不況や危機に比べればまだましな水準ですが、現状、悪化続き。
米国製造業PMI
※出所:アメリカ 製造業購買担当者指数 より作成
10月速報値は「49.9」。
9月の「52.0」より大幅な低下で数値的には大コケ。
2020年のコロナは別として、2016年のチャイナショック、2019年よりもすでに悪い水準。
日本製造業PMI
※出所:日本 製造業購買担当者景気指数より作成
10月速報値は「50.7」。
9月は「50.8」でほぼ横這い。
50の手前で踏みとどまっています。
円安のデメリットをあげつらう記事も多いですが、欧米に比べ日本の景気は堅調。
円安のおかげという指摘の方が説得力がありそう。
今後の日銀金融緩和モード変更のやり方次第では、住宅ローン支払いが増え、消費が減退し、失業が増え、急速に日本景気が悪化し
「あの頃の方がよかった」
というオチになる可能性も。
○○年ぶりの「円安」がどうのこうのより、大事なことは「生活」「国民生活の満足度」であり、生活の満足度がそれなりに保たれるのであれば、円安でも円高でもどちらでもいいであろう。
個人的には次期日銀総裁はそういう「常識」「枝葉末節にこだわらない大局観」のある人になってもらえればと思う次第。
まとめ
製造業PMI10月速報値
☆欧州:46.6
☆米国:49.9
☆日本:50.7
米国の大幅な低下がサプライズ。
米国景気悪化見通し
⇒FRB金融引き締めモードがゆるむ、との期待
⇒株高
という解釈もアリだと思いますが、急所は企業業績。
景気指標が示唆するように、本当に景気が悪化して今後企業業績のネガティブサプライズがあちこちで発生するようなら、いざ金融緩和に転じても株価は下がり続ける、という展開も過去にあったこと。
あくまで
景気指標動向≠企業業績動向≠株価動向
ではありますが、展開次第ではタイムラグを経て、これらが連動することもあり、予断を許さない状況が続くか。
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