ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

○○○が15%上昇すると 景気後退が起きている

米国の失業率と景気後退、株価動向を探る記事。

米国の失業率を知るメリット

「失業率」と「景気」は関連が強く、「景気」と「株価動向」にも関連があり、「失業率」は長期的な「株価動向」を探る材料になり得る、と思われます。

失業率 ⇔ 景気 ⇔ 株価

最新の失業率

2022年10月の失業率は「3.7%」(前月比+0.2%)でした。

この数値は

・サブプライムバブルの頃のボトム「4.4%」

・ITバブルのころのボトム「3.8%」

より小さく

・コロナ前後のボトム「3.5%」

よりやや高い、歴史的な低水準と思われます。

<参考:米国失業率のデータ>

1948年1月~2022年10月で最低の失業率は1953年の2.5%。

その他の低失業率は1960年代に3.4%。

ITバブルの頃(2000年)の3.8%。

2019年の3.5%、2022年の3.5%など。

最大値は2020年の14.7%

その他の高失業率は1975年の9.0%

1982年の10.8%

2009年の10.0%など。

この期間の平均値は5.7%。中央値は5.5%。

※データ出所:Unemployment Rate (UNRATE) | FRED | St. Louis Fed

失業率の推移

※出所:Civilian Unemployment Rate | FRED | St. Louis Fedより管理者作成 ※期間:1995年1月~2022年10

この期間の長期中央値は「5.2%」。

米国失業率は2020年4月のピーク(14.7%)から2022年9月(3.5%)まで、2年5ヶ月の低下トレンド。

10月に上昇しましたが、トレンド転換かは不明。

株価(S&P500)と米国失業率


※出所:Civilian Unemployment Rate | FRED | St. Louis FedYahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2022年10月

1995年以降の米国の失業率とS&P500。

1995年以降、失業率の

「低下時期」

に株価は上昇しやすく、

失業率が

急に上がる時期」「高水準で維持される時期」

に株価は低迷しやすい傾向がうかがえます。

短期的な状況判断には役立ちませんが、長い目で見ると、

景気(⇔失業率)と株価

の関係をうかがう一つの目安にはなりそうなグラフ。

失業率の長期推移(1948年~)と景気後退

※出所:Civilian Unemployment Rate ※期間:1948年1月~2022年10月

1948年以降の失業率と景気後退期(シャドーが景気後退期)。

景気後退期はこの期間12回あり。

よくよく観察すると、

●失業率の底打ち後しばらくたってから

あるいは

●失業率のボトムから失業率が上昇し出すタイミングとほぼ同時に

景気後退が訪れるというパターンが目立ちます。

先のことは分かりませんが、とりあえず

「景気後退期には必ず失業率の上昇が伴っている」

というのがこの期間の経験則。

直近ボトムから何%上昇すると 景気後退が起きていたのか

※出所:Civilian Unemployment Rate ※期間:1948年1月~2022年10月

では、失業率の底打ち後、どのくらい失業率が上昇したら、景気後退に突入していたのか。

過去12回分を調べてみました。

※データ出所:Civilian Unemployment Rate

例えば「1」の1948年の景気後退では、景気後退前の失業率最低値(A)は3.4%。

景気後退突入時の失業率(B)は3.8%で11.8%上昇していました。

同様にまとめたのが上記のデータ。

AとBの差が全くなく景気後退に突入していたり(「8」「12」)、Aからわずか0.1%上昇したところで景気後退期に入っていることもあります(「2」「5」)。

12回の上昇率の単純平均は+7.6%、中央値は+9.2%で最大値は+13.6%。

このデータから

失業率が(直近の最低値から)ざっと15%程度上昇すると 景気後退が起きていやすい

という仮説を唱えてもいいのかもしれません。

この仮説に則ると、今回はボトムが3.5%なので、15%上昇すると約4.0%。

今後4.0%を超えてくると、景気後退している可能性がかなり高まっていると判断してもよい、かも。

今は3.7%(+5.7%)でまだ微妙な段階か。

※あくまで経験則を重視した推測であり今後のことは不明

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