「ユーロ圏製造業PMI」からユーロ圏の景気と株価について。
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ユーロ圏製造業PMIとは
「ユーロ圏製造業PMI」はユーロ圏の景気指標の一つ。
50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
ユーロ圏製造業PMI 2008年以降
※出所:ユーロ圏 製造業購買担当者景気指数より作成
2022.10月は「46.4」(前月比−2.0)。
10月は大きな低下で節目の50を大きめに下回っています。
2021.6月が直近のピークで、その後は2022.10月まで、1年4ヶ月続く明確な低下トレンド。
水準としては欧州債務危機の2012年頃と似た水準。
「ユーロ圏製造業PMI」と「ユーロ50(前年比。%)」
※出所:ISM製造業購買担当者指数、より作成
上記は「ユーロ圏製造業PMI」と「ユーロストックス50(欧州の代表的な株価指数。前年同月比、%)」の2008年以降のチャート。
PMIは左目盛り、株は右目盛り。
①米国住宅バブル崩壊時、②欧州債務危機時には
PMI⇒50割れ
株価⇒前年割れ
の状態が、そこそこの期間と深さで続きました。
一方、③コロナ前のプチ不況(主に2019年)④コロナショックでは、両者がそろって50割れ・前年割れの状態は短期間でした。
特に③コロナ前のプチ不況(主に2019年)では金融緩和の追い風もあって、PMIは50割れでも株価は堅調という状態がしばらく続きました(コロナショックでPMIも株価も急落)。
今回に関して、2022.10月末でユーロ50は15%ほど前年割れ。
PMIは節目の50を下回り46.4。
PMIは2022.7月以降50割れ、株は2022.3月以降前年割れしているので、今回は2022.7月以降、両者が割れています。
☆①②のようなおおごとになるか
☆③④のように短期的なリスクオフですむか
興味深い状況。
個人的な感触は、
・物価が高い今回の状況は以前のような金融緩和、財政出動が行いにくい、という苦しい状況にある
・よって③④程度ではすまない可能性が高そう
といった感じ。
とりあえずECBはまだ利上げモード。
ユーロ50は一年前2021.11.22に「4339」。
2022.11.22は「3930」で一年前より-9.4%。
昨年10月のユーロ圏製造業PMIは「58.3」。
今年10月のPMIは「46.4」。
この一年で金利も上昇し、景気も悪化し、インフレも高進し、それでも昨年より9%程度のマイナスですんでいる、というのは個人的に違和感あり。
試しにユーロ50の空売りを少額でやってみたりしていますが、
☆必ずしも理屈通り動かなかったり
☆わたしが気づいていない要因があったりする
のが株式市場、どうなりますか。
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