「インディード求人掲載数」と「臨時ヘルプサービス」の変動の時間的ズレの観察。
「失業率」は「失業保険継続受給者」や「臨時ヘルプサービス」に遅行しやすい
上記記事で
「失業率」は「失業保険継続受給者」「臨時ヘルプサービス」に遅行しやすい
ということを書きました。
2020年2月以降のインディードの求人掲載数のデータが公表されています。
求人掲載数が減る⇒景気悪化傾向
求人掲載数が増える⇒景気改善傾向
を示唆すると思われます。
では求人掲載数の動向は失業率や臨時ヘルプサービスに先行するのか、遅行するのか、一致するのか、気になったので簡単に確認。
最も先行しやすいものの動向を確認できれば、早めに米国労働市場の動向を認知できる、可能性が上がるかも。
「インディード求人掲載数」と「臨時ヘルプサービス」
※出所:Job Postings on Indeed in the United States (IHLIDXUS) | FRED | St. Louis Fed、All Employees, Temporary Help Services (TEMPHELPS) | FRED | St. Louis Fedより作成
2020年2月以降の「インディード求人掲載数(掲載数)」と「臨時ヘルプサービス(以下:テンプ)」。
掲載数は右軸でブルー。
テンプは左軸でピンク。
テンプはいわゆる「人材派遣サービス」
景気がよければ人材派遣は増加、悪ければ人材派遣は減少。
データは両者とも月末値。
2020年2月末からみるとコロナで2020年4月末に掲載数は37%減。
テンプは32%減。
2020年4月末をボトムに両者ともに増加。
掲載数は2021年12月末にピーク。
テンプは2022年3月末にピーク。
その後両者ともに減少傾向。
何分2020年2月以降の38個の月末データに過ぎず、ここから断定することは危険ですが、この期間においては掲載数の方が、テンプに先行する傾向がありそう。
ちなみにこの期間の両者の相関は「0.90」で強い正の相関があります。
まとめ
わたしの調べた範囲では米国労働市場の4つの指標
「インディード求人掲載数」
「失業保険継続受給者」
「臨時ヘルプサービス」
「失業率」
でみると、動きが最も早いのが掲載数、2番目が受給者とテンプ、最も遅いのが失業率、ということになりそう。
①:「インディード求人掲載数」
②:「失業保険継続受給者」
②:「臨時ヘルプサービス」
③:「失業率」
過去の傾向であり、掲載数のデータは3年程度のものにしかすぎず、今後役立つかも不明ですが、S&P500のピーク(2022年1月、月末値では2021年12月)とインディード求人掲載数のピーク(2021年12月)のタイミングはほぼかぶっています。
偶然かもしれませんが、いい指標である可能性もあり、インディード求人掲載数も気にしていく予定。