ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

日本の時価総額は800兆円に迫り、TOPIXは10%の上方乖離 ~日本市場の概況~

今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

 

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TOPIX

※出所:マーケット|SBI証券

直近値は「2162」で前週比「+3.1」。

5月月間では今のところ「+5.1%」。

直近最高値2021年9月の「2120」を更新。

当時から約「+2.0」%水準。

日本10年債利回り(ここ1年)

※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

直近値は約「0.40%」(前週末は「0.39%」)で前週よりやや上昇。

ドル/円(ここ1年)

※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com

直近値は1ドル「137.9」円。前週は「135.7」円で円安。

米ドル指数は前週「102.5」。

今週は「103.1」でドル高。

1986年以降で3番目くらいのドル高局面が終わるか。

<米ドル指数:1985年~>

※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 

※期間:1985年1月末~2023年1月末

直近の日本バフェット指標は「1.36」(前週は「1.32」)。

直近の10年移動平均は「1.11」で、今は移動平均より約23%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

やや割高~割高

と推測。

直近の日本の時価総額は約「797.3兆円」(全市場の合計値)。

過去最高は2021年9月の805.3兆円。

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

f:id:yukimatu-tousi:20220218175914p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2022年2月10

2023.5.12 32473億円(約3.2兆円)。

前週比-646億円。

水準としては長期平均の「2.4兆円」より多く、この指標から株価水準は

やや割高?

と推測。

<2021年1月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

日本株PBR (TOPIX併記)


※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ
TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2022年9月

※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR

2023年4月の日本株のPBRは「1.2」倍(前月比±0.0)。

2021年以降、2022年6月、9月、12月を除いては「1.2~1.3倍」で推移。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均は「1.1」で水準としては今は

ふつう~やや割高?

と推測。

プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率(2市場、買い方。TOPIX併記)

※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブTOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成  ※2001.6~2022.10の月末値

5.12は「-9.46」(前週は「-9.29」)。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

やや安心

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.3

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

直近値は「20.07」(前週は「15.78」)。

日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は

やや安心?

と推測。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2018.2月:38

2018.10月:31

2018.12月:33

2020.3月:61

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒やや割高~割高?

★信用買い残⇒やや割高?

★東証一部PBR⇒ふつう~やや割高?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?

上記から日本株式の水準は

「やや割高?」

と推測。

日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ」か。

リスク資産への配分をごく控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

●日本バフェット指標、日本の時価総額、日本株PBR、信用買い残、信用評価損益率:「やや割高~割高」水準か

●日経平均VI:株価急騰で日経平均VIが上昇する珍しいパターン

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

直近のドル建て日経平均は約「223」(前週は「218」)。

コロナ前のピークは約「219」。

コロナ後のピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-23%」水準。

日欧米株価指数、2021~2022年ピークからの水準

☆TOPIX、2021~2022年の高値「2120」(2021年9月

 ⇒現在約+2%水準(前週は-1%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)

☆欧州株、ユーロ・ストックス50直近高値「4415」(2021年11月

 ⇒現在約-0%水準(前週は-2%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)

☆S&P500直近高値「4819」(2022年1月

 ⇒現在約-13%水準(前週は-14%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)

※すべて現地通貨建て

週間で日本株、米国株、欧州株、すべて上昇。

日本株は2021年9月の高値を2%ほど更新。

欧州株も2021年11月高値と同水準。

TOPIXと200日移動平均(ここ1年)

※出所:マーケット|SBI証券

ここ1年のTOPIXと200日移動平均線。

直近200日移動平均線の向きは「上向き」。

直近値は移動平均から約「+10.0%」(前週+7.0%)水準。

2022.3月以降で移動平均の上に連続でいたのは

☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)

☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)

☆2022.7~8月:9営業日(ピークは+1.5%)

☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)

☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)

☆2022.10~12月:34営業日(ピークは+5.6%)

☆2023.1~3月:40営業日(ピークは+7.1%)

☆2023.3~5月:40営業日(ピークは+10.0%)

おわりに

TOPIXは200日線から7%の上方乖離。

そろそろ調整が入るか?

と先週書いていましたが今週は3%ほど続伸、日本の時価総額は800兆円に迫り、TOPIXは200日線から10%の上方乖離。

ああいった

そろそろ調整が入るだろう

といった思惑を餌にして指数、大型株主導の上げ相場が展開したもよう。

※出所:マーケット|SBI証券

一方小型株はここ5日でさほど動いておらず、わたしが今関わっている小型株も、びっくりするくらい小さな値動き。

TOPIXが1%以上上げていてもろくに出来高すら増えず、なんなら下落する銘柄も多く、小さいところから大きいところまで総楽観、という雰囲気はなし。

上記はドル建て日経平均ですが、海外からみると直近ピークから2割以上低い水準で、「割安」な印象も持たれやすい日本株の状況か。

今週は米国長期金利が大きく上昇し(3.46%⇒3.68%)、円安も進みました(1ドル135.7円⇒137.9円)。

基本的には日米金利差を主因とする「円安」が円建ての日本の株価指数の好調感を演出していると思われ、日本株は今後も

円安傾向なら堅調?円高なら不調?

と感じる次第。

ここで再び

TOPIXは200日線から10%の上方乖離。

そろそろ調整が入るか?

と書けば「調整来る来る」詐欺。

「割高」という個人的な印象は持ちますが、先のことなんか分かりません。

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