米国物価(CPI)とモノの値段(CRB指数)の関係を観察する記事。
CRB指数とCPIの前年同月比(%)
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
※期間:1995.2~2024.3
上記グラフは1995年以降の
☆CRB指数:以下CRB。いわゆるモノの値段をドル建てで指数化したもの
と
☆米CPI:米国の消費者物価指数。モノとサービス物価を指数化したもの
の前年同月比グラフ。
右軸がCPI(%)で左軸がCRB(%)。
モノの価格が上がればモノとサービス物価を指数化したCPIも上がりやすいわけで、両者にはそれなりの相関あり。
この期間(1995.2~2024.3)のCRBとCPIの前年比データ同士の相関係数は「0.68」で強めの正の相関。
前年比でCRBが上昇していればCPIも上がりやすく、その逆もしかり、という関係性。
最近の動向
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
2022年1月~2024年3月までのCRBとCPI動向。
2022年+40%を超える高水準を維持していたCRBの前年比は低下傾向に、2023年5月には「-19.8%」まで低下。
そこからは上昇傾向で2024年3月は「+8.3%」まで上昇。
似たような動きでCPIも下げ止まっています。
2024年4月のCPIの発表は5.15の21:30。
2024年4月のCRBの前年比は「+8.7%」であり、3月の「+8.3%」よりも上昇しており
モノの価格下落でCPIも下がる
という雰囲気ではなさそう。
おわりに
ちなみに2024年5月のCRBの前年比(2023年5月終値と2024.5.14終値の比較)は「+13.2%」。
今のままだと5月も
モノの価格下落でCPIも下がる
という雰囲気ではなさそう。
もちろんCPIはモノだけでは決まるわけではないので明確な先読みはできませんが、
モノ視点からは4月5月の大幅なCPI低下は期待しにくい
という状況か。
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