景気の先行指標ともいわれる「銅金レシオ」と世界景気の指標「グローバル総合PMI」の関連を探る記事。
銅金レシオ とは
銅金レシオは銅価格を金価格で割った数値。
銅金レシオ=銅価格/金価格
上記記事より引用。
銅金レシオは、景気回復の局面では上昇しやすく、景気減速の局面では低下しやすい(図)。すなわち、景気回復局面では、需要増加観測から銅が上昇しやすく、景気後退リスクの緩和から金は相対的に敬遠されやすいため、ともに銅金レシオを押し上げる方向に働く。景気減速局面では、需要鈍化観測から銅は下落しやすく、景気後退リスクや景気に遅行する傾向があるインフレの高まりから金は相対的に選好されやすいため、ともに銅金レシオを押し下げる方向に働く。
☆景気回復局面
●銅:需要増加観測から銅は上昇しやすい
●金:景気後退リスクの緩和から相対的に敬遠されやすく金は下落しやすい
⇒銅金レシオは上昇しやすい
☆景気減速局面
●銅:需要鈍化観測から銅は下落しやすい
●金:景気後退リスクや景気に遅行する傾向があるインフレの高まりから相対的に選好されやすく金は上昇しやすい
⇒銅金レシオは低下しやすい
上記のような理屈で「銅金レシオ」は景気の先行指標とされることも。
「銅金レシオ」
※出所:銅先物 過去の価格推移-Investing.com、金先物 過去の価格推移-Investing.comより作成
1988年8月以降の銅金レシオ。
本ブログでは
・銅、金の先物価格の月末値を使用(2024年5月データは2024.5.21のものを使用)
・銅金レシオ=銅/金×1000
としています。
長期的には下がってきている、傾向があります。
2000年以降では主要なネガティブイベントで大きく低下しており、世界景気を示唆する指標として使えそうな雰囲気はあります。
現在の銅金レシオは「2.1」くらいですが、次回の世界的なリスクオフ局面では「1.5」程度までさがりそう。
グローバル総合PMIと銅金レシオ
個人的には世界景気の大まかな指標として今はグローバル総合PMIを参考にしています。
※グローバル総合PMIについては↓↓
この指標と銅金レシオはどの程度連動しているか。
同じ「世界景気」を反映する指標ならある程度の相関があるはずだ、という予断のもとに調べてみました。
※出所:銅先物 過去の価格推移-Investing.com、金先物 過去の価格推移-Investing.com、https://www.pmi.spglobal.com/public/release/pressreleases?language=ja、JPMorgan Global Composite PMI - Analysis - Free Historical Dataより作成
PMIデータは2014年以降のものしか入手できていないので2014年以降の比較チャート。
一部連動性が低い時期もありますが、概ね両者には連動性がありそう。
この時期の両者の相関係数は「0.59」であり、正の相関があるといえます。
さらに両者の3カ月移動平均値をとってグラフ化すると以下のようになります。
より変動がマイルドになりトレンドの転換時期を判断しやすくなる可能性。
3カ月移動平均値の両者の相関係数は「0.66」であり、単月データの「0.59」より数値は上昇。
おわりに
「銅金レシオ」と「グローバル総合PMI」には正の相関があり、銅金レシオはそれなりに世界景気を反映する指標ではありそう。
個人的には主に世界景気の転換点を判断する上で
「グローバル総合PMI」を補完する指標
として「銅金レシオ」も観察していく予定。
※参考