先週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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TOPIX
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は「2743」で前週比「-0.1%」。
5月月間では今は「+0.0%」。
2021年9月の「2120」から約「+29」%水準。
日本10年債利回り(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は約「1.01%」(前週末は「0.95%」)。
昨年ピークを抜く。
ドル/円(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は1ドル「156.9」円。前週は「155.7」円で円安。
米ドル指数は前週「104.4」。
今週は「104.7」でドル高。
1986年以降で3番目くらいのドル高局面。
<米ドル指数:1985年~>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
※期間:1985年1月末~2024年3月末
直近の日本バフェット指標は「1.61」(前週は1.62)。
直近の10年移動平均は「1.18」で、今は移動平均より約36%高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は
割高?
と推測。
直近の日本の時価総額は約「985.3兆円」(全市場の合計値)。
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、世界経済のネタ帳 より作成
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残(2市場、買い方。TOPIX併記)
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2023.11の月末値
最新値は 46837億円(約4.7兆円)。
前週比-142億円。
水準としては長期中央値の「2.5兆円」より多く、この指標から株価水準は
割高?
と推測。
<2021年11月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
日本株PBR (TOPIX併記)
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2023年7月
※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR
2024年4月の日本株のPBRは「1.4」倍(前月比+0.0)。
直近ピークは2018年1月の「1.5」。
直近ボトムは2020年2~4月の「1.0」。
長期平均は「1.2」で水準としては今は
やや割高?
と推測。
プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2023.5の月末値
最新値は「-6.44」(前週は-5.81)。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
楽観?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
直近値は「16.96」(前週は16.79)。
日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は
やや安心~安心?
と推測。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高?
★信用買い残⇒割高?
★東証一部PBR⇒やや割高?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は
「やや割高~割高?」
と推測。
※個人の直感、感想です。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日本バフェット指標、信用買い残、信用評価損益率:割高感あり
●日本株PBR:やや割高感あり
●日経平均VI:安心感あり
●東証リート指数:続落
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
直近のドル建て日経平均は約「246」(前週は249)。
直近ピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-15%」水準。
日欧米株価指数、2021~2022年ピークからの水準
☆TOPIX、2021~2022年の高値「2120」(2021年9月)
⇒現在約+29%水準(前週は+30%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)
☆欧州株、ユーロ・ストックス50、2021~2022年の高値「4415」(2021年11月)
⇒現在約+14%水準(前週は+15%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)
☆S&P500直近高値「4818」(2022年1月)
⇒現在約+10%水準(前週は+10%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)
※すべて現地通貨建て
週間で日本株、欧州株はやや下落。
米国株は変わらず。
TOPIXと200日移動平均(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
ここ1年のTOPIXと200日移動平均線。
直近値は移動平均から約「+10.5%」(前週+11.1%)水準。
2022.3月以降で移動平均の上に連続でいたのは
☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)
☆2022.7~8月:9営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)
☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)
☆2022.10~12月:34営業日(ピークは+5.6%)
☆2023.1~3月:40営業日(ピークは+7.1%)
☆2023.3~2024.5月:289営業日(ピークは+18.0%)
おわりに
信用買い残の約4.7兆円をはじめとして、総じて割高感のある日本株。
日本の時価総額は一時1000兆円以上を超えていましたが、ここ8週は1000兆円割れ。
今は約985兆円で再び1000兆円に迫っています。
直近の日本バフェット指標は「1.61」。
直近の10年移動平均は「1.18」で、今は移動平均より約36%高い水準。
※2024年4月末は+37%でした
今回の株高は2024年3月末の+40%程度がピークなのか、さらに高みがあるかどうか。
日経VIも低下傾向でまったりしてきており、かなり顕著な楽観状況。
<日本のバフェット指標:10年移動平均からの乖離率>
※参考
<日本10年債利回り(ここ1年)>
※出所:マーケット|SBI証券
日本の長期金利、直近値は約「1.01%」(前週末は「0.95%」)。
昨年秋のピーク水準を抜きました。
直近の金利上昇もあってか一時TOPIXに対して強かった東証リート指数、最近は弱く、再び沈んでいます。
<「Jリート指数」と「TOPIX」比較:ここ1ヵ月>
※出所:マーケット|SBI証券
<「Jリート指数」と「日本10年債利回り」の比較:ここ1ヵ月>
※出所:マーケット|SBI証券
ここ1週間で
☆TOPIX:-0.1%
☆東証リート指数:-2.3%
☆日本10年債利回り:「0.95%」⇒「1.01%」
引き続き株式よりリートの方が金利上昇のダメージを受けている状況。
☆金利上昇はリートにとって確実に減益要因であるのに対し、
☆TOPIXには今は利益を押し上げる円安という神風が吹いており、
☆相対的に株が強い?
という印象。
JーREIT平均分配金利回りは直近で4.6%近く。
バリエーションとしては株よりリートの方が比較的割安と感じますが、今後の金利・為替動向次第でもあり、どうなりますか。