ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

S&P500 最高値更新するもエヌビディア決算祭り感はなし ~米国市場の概況~

先週の米国市場を株式の割安割高を判断する目安になると思われる指標などで概観してみます。

簡単な米国市場の概観

<S&P500>

※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

直近値は「5305」で前週比「+0」。

5月月間では今は「+5.3」。

2022年1月の最高値「4818」より約「+10」%水準。

<米国10年国債利回り>

※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

直近値は「4.47」(前週は「4.42%)。

先週は

★株価⇒横這い

★債券利回り⇒上昇

★ドル指数⇒上昇

という動きでした。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

シラーPER

恐怖指数

<ここ5年>

※出所:S&P 500 VIXインデックス

直近値は「11.93」(前週は「11.99」)。

1990年以降の長期中央値は「18.0」(月末値データ)。

米国の市場心理は

安心

と推測。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.12月:「36」

・2020.3月:「85

・2020.10月:「41」

・2022.1月:「39」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
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米債券スプレッド

本記事の米債券スプレッドとは

①米債券スプレッド

米国の社債(格付け:Baa)の利回り-米国債(10年物)の利回り

②米債券スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③米債券スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

3.0%以上のスプレッドの時期に株価は概ね割安か?

推移グラフと現在の状況判断

※出所:Moody's Seasoned Baa Corporate Bond Yield Relative to Yield on 10-Year Treasury Constant Maturity (BAA10Y) | FRED | St. Louis Fed

5.23の米債券スプレッド(%。格付けBaa)は「1.45」(前週は「1.47」)。

スプレッドの長期中央値は「2.18」で今は中央値より約-33%水準。

投資家心理は

楽観

か。

<米債券スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
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S&P500のPBR

※出所:S&P 500 Price to Book Value

1999年末~直近のS&P500のPBR推移。

直近の推計値は「4.80」倍(前週は「4.79」倍)。

長期の中央値「2.83」を70%ほど上回っており、株価水準は

割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018年1月:3.60倍(直近で世界景気がよかった時期)

②2018年9月:3.51倍(直近で米国の経済成長率が最も高かった時期)

③2020年1月:3.76倍(コロナ前、2019年9月以降の世界景気拡大期のピーク)

④2021年12月:4.73倍(コロナ後)

⑤2024年3月:4.88倍(コロナ後2回目)

※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

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シラーPER

※出所:Shiller PE Ratioより作成 ※期間:1995.1~2024.2

1995年以降のシラーPERの推移。

1995年以降の中央値は「26.7」倍。

2024年2月までの5年移動平均は「31.5」倍。

 

直近値は約「34.7」倍(前週は「34.7」倍)。

長期の中央値より約30%高く、5年移動平均より約10%高い水準。

株価水準は

やや割高~割高?

と推測。

※出所:Shiller PE Ratio

※参考:シラーPER(CAPEレシオ)とは|金融経済用語集 - iFinance

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではない?

ジャンク債スプレッド⇒割高?

S&P500のPBR⇒割高?

☆シラーPER⇒やや割高~割高?

長期的には米国株の水準は

割高?

と推測。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で

近年のバブル期と「現在」のデータ比較

※表のデータ出所 ・OECD景気先行指数:OECD Data ・米国失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・マージンデット:Margin Statistics | FINRA.org ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg 

・恐怖指数:再び安心モード

・ジャンク債スプレッド、S&P500のPBR、シラーPER:割高か

・マージンデット前年同月比:4月は「+22.7%」(前月は「+21.5%」)

金融ストレス指数(1994年~)

※出所:St. Louis Fed Financial Stress Index (STLFSI4) | FRED | St. Louis Fed

直近値は「-0.90」(前週は「-0.90」)。

ストレスが極めて少なく株高になりやすい状況。

金融ストレス指数について

金融ストレス指数とは|インデックス(指数)用語集|iFinance

おわりに

<S&P500:ここ1年>

※出所:マーケット|SBI証券

緑ラインは200日移動平均線。

直近値は200日線から「+11.5%」水準(前週は+11.9%)。

 

恐怖指数の5.24の値は「11.93」で5週前の「18.71」より大きく低下。

1990年以降の長期中央値「18.0」より大幅に低く完全に安心モードへ。

引き続き債券市場もどっぷり楽観に使っている状態で今のところ大崩れしそうな感じはありませんが、どこまで続くか。

昨年秋からの世界景気拡大の流れに乗れればそこそこ指数でも稼げていた、という展開。

市場は明確な楽観偏移の雰囲気。

エヌビディア、ビットコインなどはお祭り感が強いですが、S&P500に関しては週間でほぼ動いておらず

エヌビディア決算を挟んでS&P500もお祭り騒ぎ

にはなっていない状況。

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