ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

米国 失業率 1948年以降のジンクスでは 景気後退を示唆

「4.0%」を突破し「4.1%」まで上昇してきた米国の失業率。

それに先行する失業保険継続受給者の確認。

米国の失業率と失業保険継続受給者(1995年1月~2024年5月)

※出所:Continued Claims (Insured Unemployment) (CCSA) | FRED | St. Louis FedUnemployment Rate (UNRATE) | FRED | St. Louis Fedより作成

1995年1月以降の米国失業率(%)と失業保険継続受給者(万人。月間平均値。以下:受給者)の推移。

概ね赤の受給者が青の失業率に先行する傾向。

失業率が増えている状態では当然失業保険受給者も増加するので両者には強い相関があり、この期間の相関係数は「0.72」(強い正の相関)。

最近の動向

※出所:Continued Claims (Insured Unemployment) (CCSA) | FRED | St. Louis FedUnemployment Rate (UNRATE) | FRED | St. Louis Fedより作成

2022年1月以降の米国失業率(%)と受給者(万人。月間平均値)の推移。

青の失業率は2023年1~4月が底、その後はじわじわと上昇。

赤の受給者は2022年5月に底打ち、2023年7月頃まで増加を続けるも、その後横這い。

ただ2024年6月に183万人とレンジを上抜けしそうな動き。

今後の推測

一般に失業率は上昇しだすとなかなか止まらず、景気後退に至るパターンも多いです。

直近ボトムから

失業率が0.7%以上上昇すると近年では必ず景気後退に至っており

今回のボトムは2023年4月の「3.4%」。

2024年6月は「4.1%」で直近ボトムから0.7%の上昇となりました。

この指標での近年のジンクス的には景気後退に至る可能性が高い状況。

※出所:Unemployment Rate (UNRATE) | FRED | St. Louis Fedより作成

2024年6月以降、目立って失業保険継続受給者が増えてきているのも怪しい兆候。

<インディード:求人件数>

※出所:Job Postings on Indeed in the United States (IHLIDXUS) | FRED | St. Louis Fed

その他の指標、インディードの求人件数は減少続くも、直近ではほぼ横這い。

一方景気後退まっしぐら的な様相を呈しているのは人材派遣サービス従事者数。

※出所:All Employees, Temporary Help Services (TEMPHELPS) | FRED | St. Louis Fed

こちらはコロナ前を下回り大幅な減少、特に2024年6月は減り方が急になっています。

☆失業率や派遣などの視点では景気減速感が強く

☆受給者も徐々に怪しくなっており

☆インディードの求人件数は微妙

☆全体的には景気後退に向かっている可能性が上昇していそう

というのが現時点の結論。

5月より6月の方が全般には悪化している印象。

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