ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

「買い継続」ながら 世界景気 黄色信号 続く 【中期投資のタイミング 2024年7月データより】

長期でなく中期的に、今は投資のチャンスかどうか、世界景気を根拠に推測する記事。

※先のことは不明。本ブログは個人の趣味であり、読者に投資を勧める意図は全くありません。投資は自己判断、自己責任で

今は「中期投資」のタイミングか

半年~数年でみてここがチャンス?

と感じられる、いわば「中期投資のタイミング」を全世界の景気指標である「グローバル総合PMI」を利用して模索。

同時に

半年~数年でみてここが売り時

と思われるタイミングも模索。

グローバル総合PMIとは

「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。

世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。

50が分岐点であり

50より大きい⇒景気拡大

50より小さい⇒景気減速

と判断。

製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。

サービス業PMIは「サービス業購買担当者指数」のことで、サービス業全般の景気を示唆。

JPモルガン・グローバル総合PMIはサービス業と製造業、両方を考慮した世界全体の景気指標。

近年のグローバル総合PMIの歴史

グローバル総合PMI(緑線)の2008年以降の推移をGDP動向(オレンジ)とともに確認。

※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/1ab92992a48a4200bfacfdbdd9623c20

より作成 ※2008~2024.7

この指標、2008年以降で概ね世界のGDP動向と連動性あり。

2008年以降では3回ほど節目の50を下回り、不況を示唆。

1回目は2008~2009年の世界金融危機、2回目が2020年のコロナ不況、3回目が2022年の秋ごろ、インフレ+利上げで株価が低迷していた時期。

ほかにも好不況の分かれ目の「50」に3度接近。

1度目は2012年の欧州債務危機、2度目は2015~2016年ごろのチャイナショック。

世界景気動向をそれなりに反映してきた指標といえそう。

直近のグローバル総合PMI

世界景気動向の目安としてグローバル総合PMIの推移を確認。

※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/544a5619274f4c0e800163086c5c0de4より作成

最新の2024年7月データは「52.5」で前月の「52.9」より低下。

2023年10月⇒2024年5月まで

「50.0⇒53.7」

という明確な景気拡大トレンドでしたが、6月「52.9」、7月「52.5」と景気拡大の勢いは明確に鈍化。

グローバル総合PMIとS&P500

※出所:https://www.pmi.spglobal.com/public/release/pressreleases?language=jaJPMorgan Global Composite PMI - Analysis - Free Historical DataS&P500 過去のレート - Investing.comより作成

※期間:2014.1~2024.7

グローバル総合PMI(左、赤)とS&P500(右、青)の2014年以降の推移。

ここ10年では

A:PMIが低い時期にS&P500を買ってPMIが高い時期に売ると儲かる傾向

B:PMIの低下トレンドが上昇トレンドに移る時期にS&P500を買って、PMIが高い時期が終わるタイミングに売ると儲かる傾向

はありそう。

中期投資のルール

①中期投資では主に

B:PMIの低下トレンドが上昇トレンドに移る時期にS&P500を買って、PMIが高い時期が終わるタイミングに売ると儲かる傾向

を利用

②トレンド変化の判断はPMIの3カ月移動平均を利用し、移動平均が上昇トレンドに移るタイミングで買う、あるいはポジションを増やす

③PMIが高い時期は「53以上」とし、53以上だったPMIが53を下回った時点でS&P500を売る、あるいはポジションを減らす

④コロナパンデミックのようなPMIの数値が異常に下がるような時期はいったん買いポジションを解消、上昇トレンドに転じてから買うこととする

⑤上昇トレンドが明らかな好況の目安「53」に届かず低下トレンドに転じた場合はいったん買いポジションを減らすか解消する

【中期投資のタイミング 2024年7月データより】

※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/PressReleases?language=enJPMorgan Global Composite PMI - Analysis - Free Historical DataS&P500 過去のレート - Investing.comより作成

「中期投資のルール」に則ると、最近では2023年12月にPMIの3カ月移動平均が上昇に転じ、買いサイン。

2024年7月はPMIの3ヵ月平均が上昇を続けているので判断は一応「買い継続」の判断。

SP500も7月続伸しています。

ただ7月のPMIは5月の「53.7」をピークに2ヵ月連続低下。

3ヵ月平均でみると2024年8月データが「53.4」以下だと、8月の3ヵ月平均は7月の「53.0」から「52.9」以下に低下することになります。

こうなるとトレンド転換の売りサインとなるため「黄色信号」状態かも。

世界景気的には今は

☆ぎりぎり「買い継続」ながら世界景気拡大の勢いが弱るトレンドに転換するかもしれない、株式市場にとっては警戒を要する時期

との判断。

あとがき

世界景気とリンクしやすい建機。

直近の月末値のピークは

☆【6301】コマツ:2024年4月

☆【CAT】キャタピラー:2024年3月

※出所:6301 | Komatsu Ltd. 株式-Investing.comより作成

※出所:Caterpillar (CAT) 過去データ - Investing.comより作成

世界景気はイケイケではなさそう。

www.yukimatu-value.com

また上記記事でも書きましたが、ここ1年ほど続いていた債券市場の楽観トレンドが2024年7月に転換した可能性あり。

世界景気と株式市場からはおそらくまだ楽観?債券市場はやや悲観に転換?という印象。

日本株は今週大荒れとなりましたが、世界株や米国株はそこまで混乱なく

●まだ楽観でぎりぎり行けるか

●ポジション縮小に転じるか

そんな判断が交錯する神経質な状況と推測。

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