ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

信用買い残 一週で「9086億円」減少 4兆円水準に ~日本市場の概況~

今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

 

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TOPIX

※出所:マーケット|SBI証券

直近値は「2679」で前週比「+7.9」。

8月月間では今は「-4.1%」。

2021年9月の「2120」から約「+26」%水準。

日本10年債利回り(ここ1年)

※出所:マーケット|SBI証券

直近値は約「0.88%」(前週末は「0.86%」)。

ドル/円(ここ1年)

※出所:マーケット|SBI証券

直近値は1ドル「147.6」円。前週は「146.6」円で円安。

米ドル指数は前週「103.0」。

今は「102.2」でドル安。

1986年以降で3番目くらいのドル高局面。

<米ドル指数:1985年~>

※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 

※期間:1985年1月末~2024年3月末

直近の日本バフェット指標は「1.57」(前週は1.46)。

直近の10年移動平均は「1.20」で、今は移動平均より約31%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

やや割高~割高

と推測。

直近の日本の時価総額は約「958.2兆円」(全市場の合計値)。

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残(2市場、買い方。TOPIX併記)

※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブTOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成  ※2001.6~2024.5の月末値

最新値は 39634億円(約4.0兆円)。

前週比-9086億円。

水準としては長期中央値の「2.5兆円」より多く、この指標から株価水準は

割高?

と推測。

<2022年6月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

日本株PBR (TOPIX併記)

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループTOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2024年5月

※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR

2024年7月の日本株のPBRは「1.3」倍(前月比±0)。

2024年2~5月の4カ月連続で「1.4」倍でしたが、6月、7月は1.3倍。

6月以降は

株高でPBR低下

という珍しい現象発生中。

直近ピークは2018年1月の「1.5」。

直近ボトムは2020年2~4月の「1.0」。

長期平均は「1.2」で水準としては今は

やや割高?

と推測。

プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率(2市場、買い方、TOPIX併記)

※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブTOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成  ※2001.6~2024.5の月末値

最新値は「-14.16」(前週は-13.69)。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

やや悲観

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.3

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

直近値は「26.54」(前週は45.28)。

日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は

ふつう~やや不安?

と推測。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

☆2018.2月:38

☆2018.12月:33

☆2020.3月:61

☆2024.8月:85

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒やや割高~割高?

★信用買い残⇒割高?

★東証一部PBR⇒やや割高?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?

上記から日本株式の水準は長期的には

「やや割高~割高?」

と推測。

※個人の直感、感想です。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

●日本バフェット指標、信用買い残:割高感あり

●日本株PBR:やや割高

●東証リート指数:「6週下落⇒上昇⇒2週下落⇒上昇⇒3週下落⇒2週上昇」

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

直近のドル建て日経平均は約「256」(前週は238)。

直近ピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-11%」水準。

日欧米株価指数、2021~2022年ピークからの水準

☆TOPIX、2021~2022年の高値「2120」(2021年9月

 ⇒現在約+26%水準(前週は+17%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)

☆欧州株、ユーロ・ストックス50、2021~2022年の高値「4415」(2021年11月

 ⇒現在約+10%水準(前週は+6%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)

☆S&P500、2021~2022年の高値「4818」(2022年1月

 ⇒現在約+15%水準(前週は+11%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)

※すべて現地通貨建て

週間で日本株、米国株、欧州株はすべて上昇。

世界的には「一時的なリスクオフからの巻き返し」という雰囲気だった今週。

TOPIXと200日移動平均(ここ1年)

※出所:マーケット|SBI証券

ここ1年のTOPIXと200日移動平均線。

直近値は移動平均から約「+2.8%」(前週-4.5%)水準。

8.5には「-14.2%」水準まで下がりましたが、その後急回復し8.16にはプラス圏まで一気に浮上。

2022.8月以降で移動平均の上に連続でいたのは

☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)

☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)

☆2022.10~12月:34営業日(ピークは+5.6%)

☆2023.1~3月:40営業日(ピークは+7.1%)

☆2023.3~2024.8月:337営業日(ピークは+18.0%)

☆2024.8月:1営業日(ピークは+2.8%)

おわりに

5兆円規模で暴落相場に突入した信用買い残は一週で「9086億円」減少、4兆円水準に減少。

非常に激しく大きな動きでしたが、リスクオフの期間はごく短く、その後急速に落ち着きを取り戻してきています。

信用買い残が一週で2割近く減少した週の信用評価損益率(日経版)は「-14.16%」で前週の「-13.69%」と大差なく、節目の「-20%」には全く届かず。

松井証券内の信用評価損益率からも2024.8.5の「-25%」以外は、「-20%」に届いていません。

また減ったといっても信用買い残「4兆円」という水準も長期的にはとても多い水準。

ネガティブに考えるならまだまだ下落余地は大きい。

しかし、そもそも直近のグローバル複合PMIは

「52.5」

で、節目の50をそれなりに上回っており、直近ピーク5月の「53.7」から下がってきてはいるものの世界景気が拡大していることは明白。

「世界景気拡大速度の減速」

が焦点であって

「世界的な景気後退」

が焦点になる局面では全くなく、世界景気的にはリスクオフの連鎖が生じにくい局面かも。

「失業率がらみの米国景気後退懸念と円売りバブル崩壊」がたまたま重なって、日本株で大きなパニック相場が確認された、というところか。

米国債券市場の楽観トレンドが転換している可能性もあり、個人的には

「世界景気拡大速度の減速」

がリスクオフにつながる可能性を危惧すべき局面と推測。

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