今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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TOPIX
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は「2685」で前週比「+0.2%」。
8月月間では今は「-3.9%」。
2021年9月の「2120」から約「+27」%水準。
日本10年債利回り(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は約「0.90%」(前週末は「0.88%」)。
ドル/円(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は1ドル「144.3」円。前週は「147.6」円で大幅に円高。
米ドル指数は前週「102.2」。
今は「100.6」でドル安。
1986年以降で3番目くらいのドル高局面が終わるか。
<米ドル指数:1985年~>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
※期間:1985年1月末~2024年3月末
直近の日本バフェット指標は「1.58」(前週は1.57)。
直近の10年移動平均は「1.20」で、今は移動平均より約32%高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は
やや割高~割高?
と推測。
直近の日本の時価総額は約「962.8兆円」(全市場の合計値)。
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、世界経済のネタ帳 より作成
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残(2市場、買い方。TOPIX併記)
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2024.5の月末値
最新値は 38535億円(約3.9兆円)。
前週比-1099億円。
水準としては長期中央値の「2.5兆円」より多く、この指標から株価水準は
割高?
と推測。
<2022年6月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
日本株PBR (TOPIX併記)
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2024年5月
※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR
2024年7月の日本株のPBRは「1.3」倍(前月比±0)。
2024年2~5月の4カ月連続で「1.4」倍でしたが、6月、7月は1.3倍。
6月以降は
株高でPBR低下
という珍しい現象発生中。
直近ピークは2018年1月の「1.5」。
直近ボトムは2020年2~4月の「1.0」。
長期平均は「1.2」で水準としては今は
やや割高?
と推測。
プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率(2市場、買い方、TOPIX併記)
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2024.5の月末値
最新値は「-8.38」(前週は-14.16)。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
やや楽観?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
直近値は「25.38」(前週は26.54)。
日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は
ふつう~やや不安?
と推測。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
☆2018.2月:38
☆2018.12月:33
☆2020.3月:61
☆2024.8月:85
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒やや割高~割高?
★信用買い残⇒割高?
★東証一部PBR⇒やや割高?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は長期的には
「やや割高~割高?」
と推測。
※個人の直感、感想です。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日本バフェット指標、信用買い残:割高感あり
●日本株PBR:やや割高
●信用評価損益率:やや安心
●日経平均VI:やや不安
●東証リート指数:「6週下落⇒上昇⇒2週下落⇒上昇⇒3週下落⇒2週上昇⇒横這い」
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
直近のドル建て日経平均は約「263」(前週は256)。
直近ピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-9%」水準。
日欧米株価指数、2021~2022年ピークからの水準
☆TOPIX、2021~2022年の高値「2120」(2021年9月)
⇒現在約+27%水準(前週は+26%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)
☆欧州株、ユーロ・ストックス50、2021~2022年の高値「4415」(2021年11月)
⇒現在約+11%水準(前週は+10%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)
☆S&P500、2021~2022年の高値「4818」(2022年1月)
⇒現在約+17%水準(前週は+15%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)
※すべて現地通貨建て
週間で日本株、米国株、欧州株すべて上昇。
TOPIXと200日移動平均(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
ここ1年のTOPIXと200日移動平均線。
直近値は移動平均から約「+2.6%」(前週+2.8%)水準。
8.5に「-14.2%」水準まで下がりましたが急回復し8.16にプラス圏まで一気に浮上、その後プラス圏をキープ。
2022.8月以降で移動平均の上に連続でいたのは
☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)
☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)
☆2022.10~12月:34営業日(ピークは+5.6%)
☆2023.1~3月:40営業日(ピークは+7.1%)
☆2023.3~2024.8月:337営業日(ピークは+18.0%)
☆2024.8月:6営業日(ピークは+2.8%)
おわりに
信用評価損益率(日経版)の最新値は「-8.38%」で前週の「-14.16%」より大幅に改善し長期中央値「-11%」も上回りました。
8月初めの日本株急落では結局節目の「-20%」には全く届かず、今のところ最低値は「-14.16%」。
「-14.16%」は長期的にみると「やや不安」「やや悲観」レベルで、この指標からは現時点で8月の日本株急落は
ごく一時的なショック
になりそうな雰囲気。
前週書いていた
「世界景気拡大速度の減速」
が焦点であって
「世界的な景気後退」
が焦点になる局面では全くなく、世界景気的にはリスクオフの連鎖が生じにくい局面かも。
が引き続き意識される状況。
ただ、FRBの9月利下げも濃厚となり、ドル高局面の転換となれば、為替面から日本株は不利になりやすく、2022年以降続いた「円安期待+日本株高期待」シナリオは描きにくくなっていきそう。
その意味で、8月初めの「円高+日本株急落」は転換点を象徴する事件だったことになる、か。
<米ドル指数:ここ5年:急落中>