下落トレンド続く中国住宅価格。
中国 住宅価格指数 (前年同月比。2011年~)
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)
中国住宅価格指数は、中国国家統計局が発表するデータをトムソン·ロイターが算出した加重平均指数で、中国の70の大・中都市における住宅価格を対象。
ここではこの指数の前年同月比データを観察。
最新値2024年7月は「-5.3%」(前月は-4.9%)。
2023年は±0.2%以内の横這いが8ヵ月続きましたが、2023年12月以降、下落トレンドに転じ、下落率の深堀りが進行中。
チャイナショックの頃の最低値は「-6.1%」。
中国不動産市場がさえない要因の一つ、中国人口動態
※以下の3つのグラフの出所:人口 – 国際統計 Global Note
<中国:総人口>
IMFによれば中国の総人口は「2021年」をピークに今後減少する見込み。
<中国:生産年齢人口比率>
中国の生産年齢人口(15~64歳の人口)の比率は「2010年」がピークでその後は低下中。
<中国:生産年齢人口>
中国の生産年齢人口は「2016年」がピークでその後減少中。
それぞれのピークまとめ。
☆生産年齢人口比率:「2010年」
☆生産年齢人口:「2016年」
☆総人口:「2021年」
ほかにも理由はあるでしょうが、中国の経済成長率低下、住宅価格低迷の一因として「急速な少子高齢化」という人口動態要因は無視できないと思われます。
おわりに
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)より作成
前年同月比では中国住宅価格は2022年6月に明確なマイナストレンドへ(10ヵ月)。
2023年4月~11月(8ヵ月)はほぼ横ばい。
2023年12月から明確なマイナストレンド(9ヵ月継続中)。
2年以上浮上せず厳しい推移。
売りが売りを呼んでもおかしくない動き。
<アメリカ・S&Pケースシラー住宅価格(20都市):ここ5年>
※出所:S&P CoreLogic Case-Shiller 20-City Composite Home Price Index (SPCS20RSA) | FRED | St. Louis Fed
上記は米国の代表的な住宅価格S&Pケースシラー住宅価格(20都市)のここ5年、前年比のチャート。
2023年にこちらもマイナスの時期がありましたが、2023年7月以降はプラス圏に。
<中国 住宅価格指数:ここ5年:前年同月比>
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)
中国の最近の下げっぷりとはかなり様相が異なります。
※中国と米国では物価上昇率が異なり単純比較はできず
米国住宅価格、前年同月比では直近では
☆2024年3月:+7.5%
がピーク。
最新値2024年6月は「+6.4%」。
もしこのまま前年割れまで下がっていくなら大ごとですが、現状は大丈夫そう。
引き続き中国住宅価格について個人的には
☆2023年秋以降の世界景気拡大局面が終わって2024~2025年のどこかで世界景気減速が明らかになり
☆中国不動産価格下落トレンドが続いていた場合
☆大きなリスク要因になるかも
という印象。
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