日本株PBRとTOPIXの関係を確認。
・投資判断はご自身で行ってください
・本ブログでは何らかの投資行動を推奨する意図はありません
日本株PBRの現状
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※期間:1999.1~2024.11
※日本株PBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR
2024年11月の日本株のPBRは「1.2」倍(前月比±0.0)。
2024年2~5月の4カ月連続で「1.4」倍でしたが、6月、7月は1.3倍、8月以降は1.2倍。
直近ピークは2024年2~5月の「1.4」。
直近ボトムは2020年2~4月の「1.0」。
長期平均は「1.2」で水準としては今は
ふつう?
と推測。
プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
日本株PBRとTOPIXの関係
一見してわかるように1999年以降の日本株PBRとTOPIXには相関あり。
両者の相関係数は「0.63」で正の相関あり。
株価が上がれば日本株PBRは上昇、その逆もしかり、という傾向。
ただここ1年の相関係数は「0.15」と低くなっており、TOPIXの上昇のわりに動かないPBR。
日本株PBRの使い方 その1:「1.0」倍以下は割安?
あくまで近年の経験則であり、将来も有効な判断となるかは不明ですが、日本株PBRの使い方、その1。
☆日本株PBRが「1.0」倍以下の時期、TOPIXは割安かもしれない
個別銘柄では不人気な「万年割安株」があり、その手の銘柄に
PBR1.0倍以下だから割安
という判断は不適切な場合が多いですが、市場全体だとそれなりに有効な判断と思われます。
上記グラフで明らかなように、
☆ITバブル崩壊後:2001~2003年頃
☆世界金融危機前後~欧州債務危機:2008~2013年頃
☆チャイナショック:2016年頃
☆コロナショック:2020年
にはPBR1.0倍以下になっています。
ただ、2008年2月にPBRが1.0倍になって機械的にTOPIXを「1324」くらいで買うと、2009年2月にPBRが0.7倍1.0倍になってTOPIXは「757」、実に4割以上暴落。
その後TOPIXが安定的に「1300」を上回るのは2014年以降、6年後となります。
まあ世界金融危機がそうそう起こるわけではなく、レアケースですが。
日本株PBRの使い方 その2:「1.5」倍以下は割高?
日本株PBRの使い方、その2。
☆日本株PBRが「1.5」倍以上の時期、TOPIXは割高かもしれない
上記グラフで明らかなように、
☆ITバブル:1999~2000年頃
☆サブプライムバブル:2005~2007年頃
☆世界的好況:2018年1月
でPBR1.5倍以上になり、TOPIXはその後「横這い~下落」傾向。
2024年2~5月に4ヵ月PBR「1.4」倍が続きましたが、1.5倍には届かず。
ここ1年はPBRが株価とともに上昇しにくい傾向あり。
2024年はむかしだったら1.5倍に届いていた雰囲気はあり。
おわりに
ここ1年のTOPIXと日本株PBRの相関係数が低くなっている理由、らしきもの。
上場企業の海外収益増加+ドル建て純資産の増加+円安
⇒時価総額も増えているが円換算での純資産の増加率がより高くなる
⇒PBR(時価総額÷純資産)が上がりにくい?
単なる仮説で何らかのデータに基づくものではなく、わたしの勘ですが、「円安」と「上場企業の日本に還流しない海外利益による純資産増大」が、PBRとTOPIXの相関を崩している、のかも。
もし今後もこの傾向が続くなら、今のPBRは以前より感覚的には少し大きい数値でみてもいい、かも(今1.2倍だったら以前の1.3倍?みたいな)。
いずれしても、長期的には比較的日本株の割高割安を当ててきた日本株PBR。
●できるだけPBRが低い時期に株を買い、高い時期に売る
●できるだけPBRが低い時期に株を売らない、高い時期に買わない
という判断はそれほどナンセンスではなさげ。