はてなブログに引っ越す前のブログ記事です。
株式投資・社債投資は金融業?( その3)
という話です。
今すぐ役に立つテーマでもなく、個人的意見に過ぎませんが、よければ暇つぶしにどうぞ。
「企業が資金調達に困ってる時期に行う株式・社債投資」は実戦で使えるか?
前回記事で述べた仮説です。
企業が資金調達で本当に困ってる時期に行う株式・社債投資こそが、
「企業にとってありがたい株式投資・社債投資」
なおかつ
「投資家の見返りが大きいであろう株式・社債投資」
なのではないか
これはこのままでは単なる仮説です。
もしこの仮説を投資の実戦で使うなら、少なくとも以下の点は明らかにしておく必要があります。
①企業が本当に資金調達に困るのはいつなのか
②困っている企業を助けて、共倒れするリスクはないのか
③企業を助けたところで、投資家の見返りは本当に大きいのか
それぞれ、簡単に説明します。
①企業が本当に資金調達に困るのはいつなのか
総じて企業が資金調達に困りやすいのは、以下の時期だと思われます。
◎不景気な時期(低い経済成長率、マイナス成長の時期)
実体経済の景気が悪いと、企業利益も伸びにくく、金融機関の貸し出し意欲、投資家の投資意欲も低くなりがちです。
また、世の中全体が悲観的になりやすく、株価や社債価格も低迷しがちです。
したがって、不景気な時期、企業は金融機関、投資家、双方からの資金調達が行いにくく、資金調達に苦しみやすいと思われます。
◎何らかの理由で株価や社債価格が暴落していたり、長期的に低迷している時期
理由はなんであれ、株価や社債価格が暴落、低迷している時期は、投資家からの資金調達がうまくいっていないので、企業は資金調達に困りやすいと思われます。
◎金融危機の時期
金融危機とは、
景気の悪化などから金融機関への信用が低下し、
金融機関や民間企業の経営悪化や倒産、株価の下落・低迷、失業率の増加
などが生じる事態のことです。
近年では2008年のリーマンショックが有名です。
金融危機の時期、企業は金融機関、投資家、双方からの資金調達が行いにくく、資金調達に苦しみやすいと思われます。
②困っている企業を助けて、共倒れするリスクはないのか
この問題に対しては、分散投資が効果を発揮します。
仮に個々の企業が倒産することがあっても、非常に多くの銘柄に分散投資することで、例えば金融危機の時期であっても、勇気を出して投資することができると思います。
「市場全体を買う」
という発想でインデックス(指数)を買ってしまうのが、一つの有効な対策になり得ます。
倒産する企業、債務不履行を起こす企業もあるでしょうが、市場すべての企業がそうなる可能性は極めて低いです。
株式なら株式インデックス(株価指数。日本ならTOPIX、アメリカならS&P500など)への投資が有効です。
社債なら数多くの社債への投資が可能な投資信託や上場投資信託(ETF)への投資が有効です。
※社債への分散投資は、今のところ米国市場で行うのが、実行しやすいと思われます
③企業を助けたところで、投資家の見返りは本当に大きいのか
あくまで一つの例ですが、多くの企業が資金調達に困っていたであろうリーマンショック後の2009年2月末に投資を始めれば、2017年2月末時点で、
◎TOPIX→+103% <756>→<1535>
◎S&P500→+221.5% <735>→<2363>
◎LQD→+25.9% <94.16>→<118.58>
のリターンです。
※TOPIXは日本の株価指数。S&P500は米国の株価指数
※LQDは米国の投資適格社債に投資する上場投資信託(ETF)です。2017年5月11日時点で、1750以上の社債に分散投資しています
LQDとは?(ブラックロックの説明サイト)
※為替変動、税金、配当等は考慮していません
配当収益、為替収益抜きで、100万円がTOPIXなら約200万円、S&P500なら約320万円になっています。
LQDでも、分配金+プラスの売買差益が獲得できる状態です。
8年間でこのリターンなら、十分な見返りではないかとわたしは思います。
以上より、2009年2月末~2017年2月末に関しては、
「企業が資金調達に困ってる時期に行う株式・社債投資」は実践で使えた
といえなくもないと思います。
そちろん、常にうまくいくわけではありません。
単なる一つの結果論、成功事例の紹介です。
(次回に続きます)