ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

日銀の総資産、過去最高額更新 ~もしもの円暴落に備える確認作業<2017.8.17>~

もしもの円暴落があるとわたしは現在の投資ポジションでは非常に困るので、「もしも」の兆しがないか適時確認しています。

その確認内容を記事にするシリーズです。

10日に一回くらいのペースで更新していく予定です。

同様の不安がある方がおられれば、よければお付き合いください。


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円暴落の兆しを知るための指標

わたしは以下の5つの指標を適時確認しています。

①ドル円名目レート

②円の実質実効為替レート

③日本の消費者物価指数

④日本の長期金利(10年国債の金利)

⑤日銀の資産動向

※あくまで個人的な対策に過ぎないので、本当に役立つかはわかりません

それぞれが何を意味するのかの説明は以下の記事を参照ください。

 

ここから5つの指標を一つずつ確認していきます。

 

「ドル円名目レート」

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※出所:セントラル短資FX

先週一瞬108円台までの円高になりましたが、110円台に戻っています。

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円の実質実効為替レート

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※出所:<BIS>Effective exchange rate indices(Monthly data: Narrow indicesupdated 20 July 2017)のデータより管理者作成 ※グラフ期間:1973.1月~2017.5月

上記は長期的な視点から「通貨の実力」を示唆する、という人もいる円の実質実効為替レートの推移グラフです。

2017.6月の数値は「78.8」であり、円安が疑われる水準ですが、前月と大差ない水準です。

日本の長期金利(10年国債の金利)

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※出所:日本 10年債券利回りチャート 

近年の日本の長期国債利回り推移です。

 

現在は「0.04%」程度の低位水準であり、急激な金利上昇の雰囲気は皆無です。

日本の消費者物価指数

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※出所:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 時系列データのデータより管理者作成

2015.1月~2017.6月の消費者物価指数<生鮮食品を除く総合。前年同月比>です。

消費税増税による上昇効果は2015.4月に剥落し、その後は「-0.5~0.5%」程度で推移しています。

2017.6月は5月に続いて「+0.4%」であり、ぐんぐん物価が上がっていく、という印象はありません。

とりあえず低水準で推移しています。

日銀保有資産

※出所:Bloomberg Markets ※<単位:10億円>

過去5年の日銀保有資産の推移です。

f:id:yukimatu-tousi:20170816215815p:plain8月10日が約509.1兆円で、史上最高額を更新しました。

2017年の日本の名目GDPは推計で546.2兆円であり、現在の日銀の保有資産額は名目GDPの約93.2%です。

ちなみに米国の名目GDPは19.42兆ドル(IMF推計)、FRBの資産は4.47兆ドルなので、名目GDPの約23%になります。

スイスを除いて主な先進国中央銀行の資産は名目GDPの概ね30%以下のようであり、経済規模に比べてとても大きな資産を日銀は保有している、といえそうです。

米国債の利回りとギリシア国債の利回りの確認(ともに10年物)

もしも日本円が暴落するとき、市場はいわゆるリスクオフ一色の相場になると思われます。

そのとき投資家の資金が逃げ込む国債市場の一つは、流動性や信用力の高い米国債ではないかと思います(ドイツ国債などもおそらく同様)。

逆に投資家が資金を引き揚げる国債の一つは、多額の負債を抱え事あるごとに国債利回りが急騰しているギリシアの国債ではないかとわたしは推測しています(他にもいろいろあると思いますが)。

したがって、もし円に何かあれば、米国債の利回りは下がり(米国債は買われて価格が上がり利回りが下がる)、ギリシア国債の利回りは上がる(ギリシア国債は売られて価格が下がり利回りが上がる)と推測されるので、この意味で米国債やギリシア国債の利回を観察しておくと、役に立つのではないかと思われます。

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※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

米国長期国債利回りは前回同様2.2%台です。

先週末に少し相場が動き、米国長期債も一瞬2.2%を切りましたが、何事もなかったかのように元に戻っています。

 

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ギリシャ 10年 | ギリシャ 10年 債券利回り

ギリシア長期国債利回りは5%台です。

近年では落ち着いた低い水準にあります。

まとめ

特に目立った怪しい動向はみられません。

 

先週北朝鮮がらみで少し相場が動きましたが、今回の経過をみても、「リスクオフ局面での円高傾向」は今までと変わらないようです。

あとがき

日経新聞の記事から。

www.nikkei.com

「2017.6月末に日銀の総資産がFRBを超えた。来年にはECBも上回る可能性がある」と書かれています。

FRBは徐々に資産縮小モード、ECBも緩和ペースを抑える議論を始める雰囲気。

中央銀行の動向、この観点だけで見れば、しばらく円安要素が強いような気がします。

 

ただ、FRBの資産縮小で金利が上がり、金利上昇が米国景気の減速、米国株下落の引き金になり、株価の調整が起きれば、そのときはリスクオフの円高になるような気もします。そんなことは少し先?

どうなりますか。

関連時事です。

FRBの資産縮小の可能性に関する記事です↓

www.yukimatu-value.com

 

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