ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

ノーベル財団のポートフォリオ

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ノーベル賞の季節です。

 

毎年高額の賞金が受賞者に贈られます。

 

その原資となっているノーベル財団はどのような資産運用を行っているのか、簡単に調べてみました。


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ノーベル財団のポートフォリオ

 

2009~2016年のポートフォリオ。

すべて年末の状況です。

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※出所:The Nobel Foundation - Financial Managementのリンクからのデータをもとに管理者作成

 

オルタナティブのうち多くがヘッジファンドです。

2016年だと

株式:債券:オルタナティブ=50:17:33

の配分。

この時期では概ね

株式:債券:オルタナティブ

=45~55:15~20:25~40

くらいの配分となっている様子。

 

富裕層のポートフォリオとの比較

 

富裕層資産は25年までに100兆ドル突破か、資産家人口も増加-調査 - Bloomberg

 

上記サイトによれば、100万ドル(約1億1300万円)以上の投資可能資産を持つ富裕層の平均的な資産配分は、2017年第2四半期で

・株式:31.1%

・現金および現金同等物:27.3%

・不動産:14.0%

・債券:18.0%

・代替資産:9.7%

※代替資産:ヘッジファンドや商品、プライベートエクイティー(PE、未公開株)など

でした。

両者を比較すると、ノーベル財団の方が

・株式やオルタナティブ、特にヘッジファンドへの配分が大きい

・現金への配分が小さい

 といえそうです。

 

ノーベル財団、アメリカの大学財団とヘッジファンド

ヘッジファンドは、様々な取引手法を駆使して、絶対的な収益の追求を目指す私募形式のファンドをいいます。これは、アメリカで生まれ、元々は投資した金融資産のリスクヘッジする(金融市場の不安定な値動きによって収益が振れるリスクをヘッジする)ような取引に特色があったことから、その名が付けられました。

 ※引用元:ヘッジファンドとは|金融経済用語集

 ノーベル財団のポートフォリオにおいて、思いのほかヘッジファンドの配分が大きかったので、他の運用機関でも同様のことをしているところはないか、本を引っ張り出して探すと見つかりました。

 

もう10年近く昔の本で、現在の実勢を反映しているかわかりませんが、北村慶氏の『大人の投資入門』(2008年)によれば、資産配分におけるヘッジファンドへの比率は

・アメリカの大学財団(運用資産10億ドル以上)平均:21.7%

・イェール大学財団:25%

・ハーバード大学財団:17%

とのこと。

 

ひとくくりにヘッジファンドといってもピンきりだと思いますが、何となくかたいイメージのあるノーベル財団や大学財団が運用を任せているヘッジファンドの、実際の運用リターンや経費など、どうなっているんでしょうね。

 

まとめ

・2016年末のノーベル財団の資産配分は、株式中心で、ヘッジファンド、債券が続く、というものでした

・長期的な資産運用益で賞金を含めた財団の経費を賄っていかなくてはならないノーベル財団のポートフォリオにおいても、株式が運用の中心であることは富裕層のポートフォリオと同様でした

・ヘッジファンドの配分比率の大きさがやや意外でした

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www.yukimatu-value.com

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