「ディフェンシブ銘柄」という言葉があります。
リスクオフ期に資産を守る最も一般的な手段は
現金への配分比率を高める
だと思いますが
●一般に、リスク資産でも守りに強い銘柄があるのか
●暴落期の値動きというのはどんなものか
気になったので、近年の2回のバブル崩壊期の値動きから、ごく簡単に探ってみるシリーズ。
今回は米国の個別銘柄、ジョンソン・エンド・ジョンソン 【JNJ】を取り上げます。
※あくまで過去のディフェンス力です。「今や未来のデフェンス力」は不明です
ジョンソン・エンド・ジョンソン 【JNJ】のメモ
ジョンソン・エンド・ジョンソン 【JNJ】はヘルスケア製品メーカー 。
世界各地で医薬品、医療機器・診断市場に製品とサービスを提供する 。
上記グラフは過去5年の株価推移。
・直近のPER:18.99
・直近配当利回り:2.97%
・時価総額:約3252億ドル(約35.4兆円。1ドル=109円で計算)
※グラフ、データ出所:JNJ:New York 株価 - ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) - Bloomberg Markets
※S&P500の直近配当利回り:1.85%
ジョンソン・エンド・ジョンソン 【JNJ】とS&P500の推移
1999年12月末を「1.0」としたときのJNJとS&P500の株価推移をみてみます。
※出所:Johnson & Johnson (JNJ) 、米S&P 500インデックス(SPX - Investing.comのデータより管理者作成
この期間、JNJの株価は約2.6倍になっており、2000年初めに大幅に下落したのちは「1.0」倍を常に超えています。
配当を含めればとても大きなリターンだと思われます。
ITバブル崩壊期にはS&P500との比較ではやや逆相関的な動きが見られます。
S&P500の動きに素直に連動しない傾向がうかがえます。
ジョンソン・エンド・ジョンソン 【JNJ】の(過去の)ディフェンス力
過去20年における2回のバブル期とその暴落期、JNJがどのような値動きだったか、S&P500と比較しながら見てみます。
※両者の株価のピークとボトムの時期にはずれがあり、同一期間の比較ではありません
※出所:Johnson & Johnson (JNJ) 、米S&P 500インデックス(SPX - Investing.comのデータより管理者作成
2回のバブル崩壊期の下落率平均をとるとJNJは約37%。
S&P500より16.8%下落幅が小さく、株価指数よりは大きく下げない傾向がありました。
※JNJとS&P500の「配当利回りの差」は考慮していません。暴落期の値動きだけの情報です
所感
※出所:Johnson & Johnson (JNJ) 、米S&P 500インデックス(SPX - Investing.comのデータより管理者作成
①約4割下落のとらえ方
4割近く暴落することを「ディフェンシブ銘柄」ぽくないと捉えるかどうか、人によって様々だと思いますが、過去20年において2回、JNJでもこのくらい落ちることがありました。
今年に入ってJNJはピークから約2割下落していますが、過去のひどい時期の半分程度の下落幅です。
②暴落期の株価指数をアウトパフォーム
近年の2回の暴落期において、2回とも株価指数を大幅にアウトパフォームしています。
この点に関しては”ディフェンシブ”といえるかもしれません。
タイミングが合えば、ですが
・JNJ買いポジション
・S&P500売りポジション
のロングショートポジションで、過去の暴落期では利益を出せた可能性があります。
③アマノジャク的な動き
ITバブルの際は、S&P500のピーク期(2000年3月)にJNJはさっさと暴落しています。
多くの銘柄がバブっている時期に暴落していました。
また、サブプライムバブル期では2007年10月にS&P500はピークアウトしていますが、JNJのこの時期のピークは2008年9月、リーマンショックの直前です。
ここでピーク迎えますか?というタイミング(その後約6ヶ月で36.4%暴落)。
動きにクセがあります。
過去のデータ推移に過ぎませんが、面白かったです。
※あくまで過去のディフェンス力の印象です。「今や未来のデフェンス力」は不明です。今後もこの傾向が続くかどうかは全く分かりません。JNJの今後のEPS、財務状況、投資環境等で変わってくると思われます。
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