即時性の高い米国の景気指標として
ECRI景気先行指数
という指数があります。
長期投資のタイミングを探る材料になり得ると思われ確認してみます。
ECRI景気先行指数とは
米国の民間の調査機関ECRIが毎週発表している指数。
★指数が大きい⇒景気がいい
★指数が小さい⇒景気が悪い
と判断。
1967年以降の週次のデータが公表されています。
※Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIで入手可
「マネーサプライ」「JOC-ECRI工業市場価格指数」「住宅ローン申請」「債券実質金利」「株価」「債券利回り」「失業給付申請」の7つの要素で指数化される指数。
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ECRI景気先行指数の今
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIのデータより管理者作成
最新データ2018.10.5のECRI景気先行指数は「148.6」(前週比-0.5)。
直近ピーク2018.2.2の「152.4」より少しだけ低い水準です。
世界の時価総額と同様、2018年1月末頃にピークアウトしているものの、8ヶ月近く経っても数値的にはピークに近く、
●ここから「152.4」を超えてさらなるピークを目指すのか
●じりじりと結局は落ちていくのか
判断が難しい状態と思われます。
<2018年9月以降のデータ>
参考データ①:ECRI景気先行指数の推移
1990年以降のECRI景気先行指数の推移です。
大きな経済イベントを記入すると以下のようになります。
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIのデータより管理者作成
S&P500とECRI景気先行指数を比較してみます。
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成
景気と株価の連動性を如実に語るグラフ。
上記期間(1990.1.5頃~2018.10.5。データ個数:1501)のS&P500とECRI景気先行指数の相関係数は
「0.88」
であり、両者には強い相関があります。
※週次データで期間はほぼ一致していますが、誤差あり
参考データ②:ECRI景気先行指数のピークとボトム時のS&P500
「ECRI景気先行指数のピークとボトム時」
に着目し、そのタイミングでのS&P500のデータを確認してみます。※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成
※ECRI景気先行指数のピーク時とボトム時における「S&P500の数値」を記入したグラフ
参考データ③:ECRI景気先行指数は株価より先にピークアウトする?
過去2回のバブル期においては、ECRI景気先行指数は株価より先にピークアウトしているようです。
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成
※あくまで過去2回の経験則です。未来に有用かは不明です
おわりに
ECRI景気先行指数の数値からは
依然米国景気はよさそう
と推測されます。
ただ、直近ピーク2018.2.2の「152.4」から8ヵ月以上が経っています。
抜けないでズルズル下げていくようなら、むしろ危うい感じもしないでもない状況。
個人的には今、面白い指標。
<2018年のECRI景気先行指数とS&P500>
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成
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