最新の世界景気をCLIで観察してみます。
スポンサーリンク
①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2019年12月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
最新値、2019年12月のデータは「99.43」(前月比+0.11)。
2017年12月:100.78
が直近のピークで、その後20ヶ月連続で減速トレンドが続いていましたが、2019年8月をボトムに反転。
景気水準自体は
やや悪い
といえそう。
グローバル製造業PMIは2019年7月をボトムに反転しており、今のところCLIも同様の傾向。
<参考:近年のCLIと経済イベント>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Data、https://www.world-exchanges.org/より作成
※期間:1995.1~2019.8
近年の「CLI」と「世界全体の時価総額」の推移と経済イベントです。
近年の好況、不況の時期、その際の時価総額の動向が端的に確認できます。
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~
②主要国CLI
主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。
期間は2016年1月~2019年12月です。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
<赤:日本 オレンジ:ドイツ 紫:米国 青:中国>
最近では
<中国⇒日本・ドイツ⇒米国>
の順にピークアウト。
その後
<中国⇒ドイツ・米国>
の順に反転モード。
12月に関して日本以外、すべて上昇。
中国に関しては2019年1~2月頃をボトムに反転。
米国、ドイツは2019年9月頃をボトムに反転。
日本はまだわずかに低下トレンド継続。
参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較
<近年の世界景気減速期における世界の時価総額動向>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.11
<近年の世界景気拡大期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.11
「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い」のは、近年の経験では世界景気の拡大期と思われます(必ずではなく、どちらかといえば)。
おわりに
今後の世界景気はどうなるか?
<A:一時的に半年~1年程度回復して、その後また落ち込む>
<B:本格的な回復モードに>
先行きはさっぱりわからず、現時点の何となくの勘は
A:60%?
B:40%?
のような感じ。
前回の本シリーズでは上記のように書いていました。
グローバル製造業PMIは2020年1月に改善傾向。
新型肺炎がらみがなければBシナリオの想定を少し強めていたかもしれませんが、新型肺炎で水を差されそうな状況。
少なくとも2~3月くらいまでは中国中心に世界景気にネガティブな影響があるか。
そんなものはすでに織り込み済み、という見方もあるでしょうが、
★新型肺炎の影響で2月以降の景気指標や企業業績の数字が想定以上に悪化する可能性
★新型肺炎がいつ収束するのか不明
などを考えると、難しい時期にむやみに強気になる必要もないか。
引き続きヘッジ付きの取引やロングショート継続。
こんな記事も